ポッコリおなかに要注意

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米国立衛生研究所と米心臓協会の共同研究チームは、腕や足はやせているが、顔や胴体は太っている「中心性肥満」の人は、同じBMI(体重を身長の2乗で割って算出する肥満度)でも、そのほかの肥満の人に比べ死亡率が高いと発表した。

中心性肥満は腕、足などの末端ではなく、体の中心である腹部、特に内臓に脂肪がついている「内臓脂肪型」の肥満。高血圧や糖尿病の患者によく見られ、生活習慣に起因する場合もあるが、副腎が障害を起こし、ホルモンバランスが乱れると発症する場合もある。

研究では1988〜1994年に実施された第3回米国全国健康・栄養調査(NHANES?)に参加していた18〜90歳までの男女1万5184人を、2010〜2012年まで追跡調査し、肥満のタイプやBMIと死亡率の関係を分析した。

その結果、BMIが正常(米国基準で22〜24)でも、中心性肥満の人は、そうでない人に比べ男性が1.87倍、女性で1.48倍となっていた。

また、BMIから過体重や肥満と診断されている人と、BMIは正常な中心性肥満の人を比較しても、後者の死亡率は2倍以上を示していたという。

研究者らは「BMIから判断できる肥満だけでは、健康リスクを正確に把握することは難しい」とし、腹囲や体型にも注意をするようコメントしている。

発表は米国内科学会誌「Annals of Internal Medicine」オンライン版に、2015年12月1日掲載された。

参考論文
Normal-Weight Central Obesity: Implications for Total and Cardiovascular Mortality.
DOI: 10.7326/M14-2525. PMID: 26551006

(Aging Style)