【実録チャイナショック】判断ミスのナンピン買いに上海株暴落が追い打ちで3000万円の損失……
8月24日、世界を恐怖に陥れたチャイナショックで市場は荒れに荒れた。その煽りをモロにくらってFXと株で大損した個人投資家から学ぶことは多い。「しくじり先生」に登場いただこう。

◆嫁に内緒の投資で3000万円の損失

「最初はホームレスだったことを思えば、屋根のある場所で寝られ、毎日白いご飯が食べられる。それだけで幸せだと思わないと」

 そう話すのは、チャイナ砲を食らって約3000万円をふっ飛ばした沖縄在住のトレーダー・余弦氏だ。

「米国留学から帰国して、何の身寄りもないのに沖縄へ移住したのが始まりです。家もないし、仕事もない。国際通りでホームレスをしていました。親切なおばさんが声をかけてくれ、どうにか住まいを確保して、バイトも開始。1週間を5束98円のうどんでしのぐ生活で必死にためた30万円で投資を始めて15年、やっと億が見えてきたところだったのですが……」

 年初には億超えまでわずかのところにいた余弦氏を、奈落へと突き落としたのは三菱重工だ。

「それも二段階で落とされた。最初は原発訴訟です。アメリカの電力会社が事故を起こした原子力発電所について、事故の原因とされる部品を作った三菱重工を訴えたんです。賠償額1兆円とも言われました。アナリストは『ターゲットは1000円!』なんて景気のいいことを言っていたはずなのに、まずこれで700円割れ」

◆三菱重工株をナンピンするも2000万円が飛んだ

 しかし、余弦氏の判断は「買い」だった。なぜか?

「アメリカの訴訟って、金額を大げさに言っておくものじゃないですか。1兆円よりずっと低い金額で妥協するだろうと思ってナンピン買い。それまでも買い増していたので、合計8万3000株を三菱重工に集中投資。800円台でも買い向かっていたと思います」

 実際、原発訴訟の報道が出ても600円台をキープし、反転するかと思われたのだが……。

「今度は中国発のショックが来て、8月25日には550円割れで約2000万円の損切り。しかも、そこで全部損切りすればいいものを、変な色気を出して一部は持ち越してしまった。微小なリバウンドはありましたが、今度は500円を割ろうかというところまで下げて、心がもう耐えられなくなった。そこで、やっとすべて損切りしました。合計で3000万円の損失になりましたが、『死なない程度のケガならかすり傷』と自分に何度も言い聞かせ、どうにか耐えました」

 株とFX、二刀流の余弦氏だが、もともとの主力はFX。ところが、アベノミクスによる爆上げで株のウェイトが高まっていたことも足を引っ張った。

「資産の7割くらいを株の口座に入れていました。しかも、その資金のほとんどを使っていたのが傷を深くした。チャイナショックの前だと、直近IPO銘柄を手がけていました」

 6月にIPOしたデジタル・インフォメーション・テクノロジーや、8月4日に上場したばかりだったPCIホールディングスなどの株を上昇を見込んで保有していた余弦氏。

「ぴょこぴょこと値動きしていたので、押し目を拾って上がったら売ってとデイトレで繰り返して上手くいっていました。それで調子に乗って持ち越したところでチャイナショック到来。持ち越した株は半額シールを貼って市場に放流しました(笑)」

◆3000万円を溶かした事実を家族に打ち明けると……

 チャイナショックで損してばかりではない。儲かった取引もあった。

「日経225のデイトレでは400万円儲かってるんです。とはいっても、三菱重工の損とはゼロがひとつ違うので、気休めにもならないし、何の穴埋めにもなっていないけど(笑)」

 ホームレスからの脱出後、結婚もしていた余弦氏だが、奥さんには秘密にしていたことがあった。投資の損益だ。