珍しい「庖丁式」や琴の演奏、イケメン和妻師も登場!横浜の三溪園でお正月イベント

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お正月の3が日に、近代の実業家が建設した美しい庭園内の建物で、日本の伝統的な芸能を堪能できるイベントが開催される。そこはかつて、日本画家の巨匠・横山大観や、哲学の大家・和辻哲郎など多くの文化人が出入りしていたとか。新年に特別公開される由緒ある建物の中で、お正月らしい催しを楽しんで。

横浜市にある「三溪園」では、2016年1月1日(金)から3日(日)まで、「三溪園で過ごすお正月(横浜市指定有形文化財「鶴翔閣(かくしょうかく)」内部特別公開)」を開催。「鶴翔閣」は、明治時代に建てられた壮大な木造建築で、実業家・原三溪が住居として使っていたそう。催しは、すべてこちらの楽室棟で行われる。

1月1日(金)は、10時から15時まで毎時00分に筝曲の演奏があり、「春の海」や「春の訪れ」など新年にふさわしい琴の名曲が聴ける。演奏は「アトリエ筝こだま」(児玉寛子、設楽瞬山)の2人で、息のあった合奏を披露する。

1月2日(土)には、「興禅寺雅楽会」が演奏する優雅な雅楽をバックに、横浜の料理人たちで結成された「横浜萬屋心友会」による「庖丁式」が。庖丁式とは、食材に一切手を触れることなく、箸と包丁だけで魚などをさばく伝統的な儀式なのだとか。

「平安時代から伝えられているもので、当時は神や天皇に料理を捧げる作法でしたが、今では料理人のたしなみとして受け継がれています。貴重な儀式なので、この機会にぜひ伝統の技をご覧ください」と、広報担当の吉川さん。

また、1月3日(日)は平成生まれのマジシャンで和妻師の北見翼さんが、日本の伝統的な手品である「和妻」を披露。「昨年も登場していただきましたが、甘いマスクとみごとな技で人気の高い方です」(同)
このほか、園内では「お正月の花飾り」として、梶井宮御流の藤原素朝氏の作品が「臨春閣」の玄関などに飾られる。「これまではフラワーアレンジメントのような形でしたが、今回は古式ゆかしい伝統の華道によるしつらえをお願いしました。また、岐阜県の白川郷から移築した合掌造りの『旧矢箆原(やのはら)家住宅』では、飛騨地方でお正月に飾る“花餅”もありますので、こちらもおすすめです」(同)

さらに、「鶴翔閣」では、福笑いやカルタなどのお正月遊びも楽しめるとか。美しい庭園と明治時代の建築の中で、日本の伝統文化にふれるひとときを過ごして。