国宝の展示や伝統芸能も!東京国立博物館で「新春特別公開」と新春イベントを開催

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お正月はおめでたい絵柄や芸能を見て、縁起のいいスタートを切りたいもの。そこで、おめでたい作品が盛りだくさんの新春イベントの企画展をご紹介。

2016年1月2日(土)から31日(日)まで、上野の東京国立博物館では新春企画「博物館に初もうで」を開催する。お正月らしい特にめでたい図柄のものや、国宝など貴重なコレクションを期間限定で公開する「新春特別公開」のほか、2日(土)と3日(日)には、獅子舞や和太鼓など、お正月にふさわしいイベントも予定しているそう。

葛飾北斎の「冨岳三十六景」の中から、暁に赤く染まる富士山を描いた「凱風快晴(がいふうかいせい)」(本館10室)や富士山と迫力のある白波を描いた「神奈川沖浪裏(かながわおきなみうら)」(本館10室)など、おなじみの名画も揃う。このほかに、日本の水墨画の代表作である長谷川等伯の国宝「松林図屏風」(本館2室)などが新春特別公開として10件以上が展示されるとか。

国宝の『古今和歌集(元永本)上帖』(本館3室)も出品されるけれど、こちらは平安時代に書き写された古今和歌集で、仮名序と20巻すべてが揃ったものとしては最古ともいわれる大変貴重なもの。紙の装飾や文字の太さなど、凝った作りにも注目を。

「冨岳三十六景・凱風快晴」、「冨岳三十六景・神奈川沖浪裏」、「松林図屏風」、「古今和歌集(元永本)上帖」の展示期間はいずれも17日(日)まで。
本館特別1室と特別2室に登場する申年にちなんだ特集「博物館に初もうで 猿の楽園」も、新年のうちに見ておきたい展示。猿をテーマにした作品を、「愛らしさ」「毛並み」「群れ」「人と猿」の4つのカテゴリに分けて展示するので、さまざまな表現が楽しめる。

例えば、写真の狩野山雪作「猿猴図」は、和紙ににじんだ墨がふっくらとした毛並みを現していて、愛らしい姿に。

会期中は、特別1室で先着1万名にカレンダー付ワークシート「猿の楽園―君はなに猿?―& 狩野山雪の猿カレンダー」を配布。特集展示で遊んでいる4匹の種類をあてるクイズがあり、裏面はカレンダーとしても使えるので、申年の記念品にぴったり。1月2日(土)、3日(日)の11時から16時には、本館2階の階段上にスタンプコーナーも登場するので、記念スタンプを押したいならこの期間の来館がおすすめ。


同期間には、本館前で和太鼓や獅子舞などのお正月らしいイベントが見物できる。2016年は新たに『曲独楽(きょくごま)』が加わるそうで、大小の独楽を扇子の上に載せたり、綱渡りさせたりする、日本の伝統的な曲芸を楽しんで。

さらに、この2日間は、ミュージアムショップで2000円以上購入すると先着600名にミュージアムグッズが、東洋館別棟1階のホテルオークラレストラン「ゆりの木」を利用すると先着150名に「伊予の水引の箸置き」が、プレゼントされるというからお得。


また、1月2日(土)から3月6日(日)まで本館9室で開催されている「安土桃山時代の能装束」では、重要文化財5件を含む当時の能装束が一堂に揃うので、こちらもおすすめ。四季折々の風物や吉祥模様をモチーフにした豪華な衣裳は、見ているだけで気分が華やぎそう。

写真の、重要文化財「縫箔(ぬいはく)茶地百合御所車模様」は、刺繍と金銀の摺箔(すりはく)で模様を作った小袖。大きな百合の花と繊細な刺繍で表現した小さい御所車という、大きさの逆転したデザインが魅力の作品。

華やいだ絵柄の名品を鑑賞して、干支の作品やお正月イベントを堪能したら、清々しい気持ちで新しい1年を過ごせるはず。

画像・上:冨嶽三十六景・凱風快晴 葛飾北斎筆 江戸時代・19世紀 東京国立博物館蔵
画像・中:猿猴図 狩野山雪筆 江戸時代・17世紀 東京国立博物館蔵(植松嘉代子氏寄贈)
画像・下:重要文化財 縫箔 茶地百合御所車模様 奈良・金春座伝来 安土桃山時代・16世紀 東京国立博物館蔵 2016年1月2日(土)〜3月6日(日)まで、本館9室にて展示