広島・新井貴浩【写真:荒川祐史】

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今年は中日・和田、楽天・松井稼が到達

 ソフトバンクの日本一連覇で幕を閉じた2015年シーズンは西武・秋山翔吾のシーズン最多216安打やヤクルト山田哲人、ホークス柳田悠岐のトリプルスリー同時達成など多くの見どころがあった年でもあった。

 今年は名球界入りの資格の一つとなる2000安打を達成した選手も2人出た。

 偉業まで残り15本でシーズンを迎えた中日・和田一浩は6月11日のロッテ戦で初回に先制の2点タイムリー、2回の第2打席でレフト前ヒットを放ち、史上45人目となる2000安打を達成。ヒーローインタビューで「まさかこの数字に到達できるとはプロに入ったころは思っていなかったので、よくここまでこれたと思っています」と感慨深げに振り返った。和田は最終的に2050本まで安打を積み上げ、43歳で現役を退いた。

 一方、楽天・松井稼頭央は残り80本でシーズンに入り、7月28日のソフトバンク戦の第1打席でセンター前に弾き返し、史上46人目の偉業を達成。「あくまで2000という数字は通過点なので、これからもその数字を伸ばしていきたい」と話した。今季を終えて2034本、日米通算では2649本に安打数を伸ばしている。

最も近いのは広島新井の残り29本、ロッテ福浦&中日荒木は…

 そして2016年も節目の記録に到達する可能性がある選手たちがいる。最も近いのは広島の新井貴浩だ。今季終了時点で1971安打で2000安打まで残り29本。阪神から広島に復帰した今季は117本のヒットを放っており、コンディション等が万全ならば来季の達成は確実と言っていいだろう。

 続いて数字上で近いのはロッテの福浦和也。1912安打で残り88本に迫っている。ただ主に代打として起用されている40歳はここ4年で50安打以上を記録した年がなく、来季中の達成は厳しいかもしれない。

 次いで近いのは中日・荒木雅博の1890安打で残り110本。ただ、今季は97試合の出場にとどまり、53安打で終わった。亀澤恭平が台頭する中、出番が減少したことも影響。プロ21年目を迎える来季、再びレギュラーに定着できなければ、あと1シーズン内での達成は厳しくなる。また巨人の阿部慎之助も1813安打まできているが、再来年の到達が現実的なところだろう。

 2000安打への到達は険しい道のり。今季、オリックスの谷佳知は1928本、巨人の井端弘和は1912本まで安打数を積み上げながら現役を退いた。果たして2016年はどの選手が節目の記録を達成するのか。各選手の偉業への挑戦にも注目したい。