Doctors Me(ドクターズミー)- これからパパママになる人は必読!「蕁麻疹」は子どもに遺伝するってホント?

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「蕁麻疹(じんましん)」に悩まされている人は、できれば自分の子どもには同じ思いをさせたくないと感じますよね。蕁麻疹は遺伝に無関係というわけではありません。ではどんな蕁麻疹が遺伝と関係あるのでしょうか。医師に教えてもらいました。

アレルギーが遺伝に関係するのは本当?

アレルギー反応による蕁麻疹を起こしやすい体質は、遺伝と関係していると考えられます。蕁麻疹だけでなく、アトピー性皮膚炎や気管支喘息、花粉症は家族で多発することから、これらの遺伝的なアレルギー反応をおこしやすい体質を、アトピー体質とよびます。

しかし、この遺伝形式についてははっきり分かっていません。祖父母がアトピー体質で両親がアトピー体質ではなく、子どもに発症するという隔世遺伝のように見えることもあります。

遺伝だけでなく、環境も大きく影響

この遺伝的なアレルギー反応には、遺伝形式だけでなく、環境要因も関係している可能性があります。
アトピー性疾患が発症するかどうかは遺伝だけで決まるものではなく、その環境要因も重要と考えられているのです。近年、アトピー性疾患が増えている原因は、この環境要因の変化によるものの可能性があります。衛生環境の変化や大気汚染、食品の防腐剤、添加物などの影響も指摘されています。

まぶたや唇が腫れる「遺伝性血管浮腫」

蕁麻疹の一種に「血管性浮腫」というものがあります。
これは、蕁麻疹のように赤くてムクムクと湿疹が出るというよりは、まぶたや唇が腫れるというのが代表的な症状です。

この病気は5万人に1人程度の割合で、ほとんどが常染色体優性遺伝という遺伝形式をとります。両親のどちらかがこの病気である場合、子どもが男女問わず50%の確率で発症するというものです。また、この常染色体優性遺伝以外の形式で、稀ではありますが、エストロゲン(女性ホルモン)依存性の女性のみに発症するタイプも海外で報告されています。

インヒビター活性の値で診断

「血管性浮腫」の診断は症状や家族歴などから予想し、血液検査でC1インヒビター活性という値が低下していることを確認することで分かります。
この病気は、歯科治療や感染、妊娠、精神的ストレスをきっかけに発作をおこし、喉や腸に浮腫をおこすと、呼吸困難や急性腹症など命にかかわるような発作を起こすことがあります。このような重症の発作が出たときには、活性が低下しているC1インヒビター製剤の点滴が有用です。

まぶたや唇が腫れて、数時間から数日程度で自然となくなってという症状を繰り返している人は、検査を行って診断を受けることが重要です。

非常に稀な「家族性寒冷蕁麻疹」

日本でこれまでに5家系の報告という稀な病気で、こちらも常染色体優性遺伝です。
「寒冷蕁麻疹」が冷気に触れるとすぐに蕁麻疹が出るのに対して、こちらは1〜2時間後に蕁麻疹や発熱、結膜炎という症状が出ます。そして、赤ちゃんの頃からこの症状が見られるケースが多いようです。

医師からのアドバイス

アトピー体質で悩んでいる人は多いと思います。しかしながら、まだまだ未知な部分が多いのが現実です。今後研究が進んで遺伝子の解明がはっきりしたり、どのような環境要因がどの程度影響するかが分かれば、子どもの発症を防ぐことができるかもしれませんね。
また、遺伝性血管浮腫や家族性寒冷蕁麻疹は稀な病気ですが、もしも該当するような症状があれば遺伝子の検査を受けて治療することが重要になります。しっかりと皮膚科で相談してくださいね。

(監修:Doctors Me 医師)