Doctors Me(ドクターズミー)- 【目からウロコのお悩み相談室 vol.10】女が語る亭主編

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こんにちは、家族カウンセラーの宮本まき子です。先回は家族編の中の「きょうだい」の問題でしたが、今回はぐっと濃く(待ってました!)の夫婦編です。ちょっと視点を変えて、今回は「女が語る亭主編」と次回が「男が語る女房編」で各々の言い分をのぞいてみましょう。

女が語る亭主編

数年前に大阪駅近辺で見かけた「公募川柳」の中で偶然に見つけた傑作が「愛の巣も10年たてば蜂の巣だ」(詠み人知らず)で、これは笑えました。「10年目」というのが絶妙なタイミングでして、結婚は恋愛の領収書ではなく、生活のシステムだということを思い知らされる時期なのです。方向転換のギアチェンジは女のほうが早いようで…。


Q:何かにつけて「僕の家では」「うちのおふくろは」「うちの料理は」を毎日連発する亭主。そんなによけりゃ、結婚しないで実家にパラサイトしていればよかったじゃん、あたしゃ亭主の母親を代行する気はないよとタンカきってやりたい気分です。

A:昔はこのタイプをひとからげに「マザーコンプレックス=母親離れできない男」と定義づけ、女房のやり方に慣らすのに長期戦を覚悟したものです。でもねぇ、大多数の亭主は単に「慣れ親しんだ環境や習慣」を続行したいだけで、母親への愛情が深すぎるというわけでもなさそう。つまりライバルは姑ではなくて、夫の面倒くさがりの性格というわけ。

「アタシの家では」「アタシのママは」「実家の料理は」を連発して女房のほうに慣れ親しんでもらうしかありません。例えばお雑煮が元旦は「しょうゆ味」でも二日は強引に「白みそ味」にする。「世界はひろいぞ、穴から出ておいで」と冬眠癖のついた熊を飴とムチで調教し続けましょう。


Q:外では「優しくてよく気がつく穏やかな愛妻家」をきどっているのに、家の中では「俺が大将」で何でも仕切りたがります。自分でやらずに口だけはさんでケチをつけたがる。口答えすると「言い訳するな、結果を出せ。俺の言うとおりにしていればいいんだ」。昔だったら「亭主関白」かもしれないけど、いまどき流行らないと思いません?

A:職場でやれば「セクハラ」か「モラハラ(モラル・ハラスメント…言葉や態度で重圧を与える精神的暴力)」で訴えられるから家庭内でやりたがるのでしょう。「男に生まれただけでエライ」「稼いでいるからエライ」「俺の能力は最高」といった幼稚な思いこみの「ガラパゴス発想」を叩き壊すには相当のエネルギーを要します。解決策として

1)百計、逃げるにしかず。離婚か、さもなくば(生活費はゲットして)家庭内別居で接触回数を減らし、女房の心労の省エネに努める。
2)モラハラする男ほど自分より権威がある人に平伏するから、「愛さえあれば」などと血迷わずに上司、仲人、双方の親たちに相談を。
3)亭主関白が流行遅れなら「貞淑な妻」も相当遅れている。窮鼠は猫を噛んでよろしい。返り討ち、闇討ちで「現代的な対抗措置」を。


Q:高校卒業後30年目の同窓会があるとかで、急に白髪など染め出した亭主。背広や靴を新調して「初恋の君」との再会への期待で心ここにあらず。結婚前の夫の過去なんてどうでもいいけど、少ないお給料で日々の節約生活に追われている女房からみれば、彼の浮かれぶりが腹立たしい!何でこんなにイラつくのかしら?

A:よく「女房妬くほど亭主もてもせず」と受け流したがるけど、それは男の言い分でしょ。20年女房をやってくれば若いころの炎のような愛情からくる嫉妬心はほぼ消滅。ホンネは妻の「立ち位置」のプライドの問題です。「同じ金を使うなら、まずアタシに使え!アタシに」。再会に何かを期待して貯金をつぎ込み、妻には指輪どころかバラの花束もあげない「男の度量のちっこさ」に腹が立つわけ。ひいては20年前の「男をみる眼が無かった自分」にも腹が立つから、ますますわけがわからなくなるのです。

次々に小さな地雷を踏ませる夫は脇も甘いし、油断だらけ。借金や浮気もバレバレというタイプが多いので、本気で向き合うと妻が疲労します。他の世界の話として「無視」する余裕を持ちましょう。


Q:「ここでは僕の能力が発揮できない」のセリフと共に仕事を辞めること5回。減収しても彼の両親が資産家なので「遺産の前渡し」的にくれていて人並みの生活ができています。仕事が長続きしないというだけの欠点の他には、イケメンで性格はいいし、子どもを大事にするし、妻を愛して頼っているし…でも、このままでいいのかなぁ。

A:金を稼いでくるけど性格が悪いのと、甲斐性がないけど性格がいいのと、女房族がどっちをとるかといえば後者。このへんが短期決戦型のオミズとの違いでしょう。長期展望の効く女房がしっかり計算をして老後の金を残し、あとは親の金を食いつぶすまで一家で楽しく暮らせばよろしい。あるときはあるように暮らし、無い時は無いように暮らす。ブランドのバッグでも化粧品のおまけのバッグでも平然と持って街中を歩ける図太い神経があれば、女はそれほど不幸せになりません。

まき子おばちゃまからの伝言

以前「夫婦講座」で、「女房は僕と結婚できてずっと幸福ですよ」と言った夫の横で「結婚式後の半年ぐらいはね。あとは暮らしに追われてそんな感覚忘れちゃった」と妻がボソッ。男は夫婦の歴史を「点」で結ぶから中抜けで、女は「線」で結ぶから連綿と語れるんですね。「結婚した、10年もった」という事実で幸せと思い込む男と、「過去は過去。いま、ここでアタシは幸福か?」と日々更新していく女では、時間がたてばたつほどズレが生じるのは当然かもしれません。

〜家族カウンセラー・エッセイスト・評論家:宮本 まき子〜