今回は2015年最後の更新となる。個人的にもっとも触れておきたい話題で、この1年を締めくくりたい。

 U−22日本代表である。

 手倉森誠監督が統べるチームは、リオ五輪アジア最終予選を来年1月に控えている。今月22日からは石垣島でトレーニングキャンプを行っているが、天皇杯でベスト8に勝ち残っているクラブの選手は現時点でリストアップされていない。26日に準々決勝が開催されるからだ。

 このため、すでに発表された最終予選のメンバーに含まれているDF山中亮輔(柏レイソル)、奈良竜樹(FC東京)、DF岩波拓也(ヴィッセル神戸)、MF中島翔哉(FC東京)、MF井出口純(ガンバ大阪)、FW浅野拓磨(サンフレッチェ広島)の6人が参加できていない。チームの勝ち上がり次第で途中合流が検討されるが、準々決勝翌日の27日に石垣島に到着したとしても、すでにスケジュールの半分以上は消化済みだ。

 過日の最終予選のメンバー発表で、手倉森監督は23人のうち21人しか明らかにしなかった。「まだまだ最後まで悩みたい」という指揮官の言葉がひとり歩きしているが、最終予選直前のこの時期に招集できないメンバーがいることのほうが驚きである。山中、岩波、中島、浅野の4人は、スタメン出場も予想されているのだ。石垣島でのトライアルには、MF関根貴大(浦和レッズ)とFW鎌田大地(サガン鳥栖)も、現時点で参加できていない。

 代表チームの土台はクラブチームにあるという前提に立てば、天皇杯が優先されるのは当然なのだろう。だが、国際Aマッチデイにナビスコカップや天皇杯(の序盤戦)が組まれても、日本代表に選ばれた国内組はチームを離れる。同じことがなぜ、U−22日本代表ではできないのか。

 U−20W杯出場を逃してきた世代である。日本が出場できていないということは、アジアの他国が貴重な経験を積んできたことを意味する。五輪予選突破の危機は、かねてから叫ばれてきた。

 それにもかかわらず、手倉森監督のチームはスケジュールに翻弄されてきた。3月の1次予選終了後は、テストマッチを3試合しか消化していない。7月のU−22コスタリカ戦と、先の中東遠征でのU−22イエメン戦、U−22ウズベキスタン戦である。「決定力不足」の文字がメディアに躍ったが、これはもう1次予選で明らかになっていた課題だ。「決定力不足」との批判は、攻撃力を磨くための実戦が与えられなかった強化スケジュールにも大きな原因がある。

 強化とは熱量の表れだ。熱量の原動力は危機感であり、期待感である。

「ロンドン五輪のベスト4を上回る成績」を目標として、手倉森監督のチームは立ち上げられた。厳しい目標を達成するための後押しを、チームは受けてきたのか。僕の頭に浮かんでくるのは、「現場任せ」というフレーズである。