毎年、冬になると報道されることの多い一酸化炭素中毒による事故。一酸化炭素は、炭素を含む物質が不完全燃焼を起こした際に発生する極めて毒性の強い気体です。しかし、「無色・無味・無臭」であるため、発生していても気づかないことが多く、重大な事故につながってしまう場合があるのです。東京消防庁によると、一酸化炭素中毒事故の発生件数は、1年のうちで12月がもっとも多く、次いで1月、2月の順となっています。これは、冬場は暖房器具による事故が増加するためですが、こうした事故を防ぐためには、どのようなことに気をつければよいのでしょうか?

注意が必要な暖房器具は?


ちなみに、家庭用の暖房器具で注意が必要なのは、石油ストーブ、ガスストーブ、ガスファンヒーターのように、室内の酸素を使って燃焼し、排気ガスを室内に出す仕組みのもの。このタイプの暖房器具は、不完全燃焼を起こすと、室内に一酸化炭素を発生させてしまいます。

また、上記の東京消防庁の資料によると、同消防庁の管内における一酸化炭素中毒の6割以上が七輪、火鉢、囲炉裏など炭を使用する器具によるものとなっています。なかには、「自宅でバーベキューコンロを使用して炭火で焼き肉をしていた際に一酸化炭素中毒で倒れた」といったケースもあるため、屋内での炭火の取り扱いには十分な注意が必要といえるでしょう。

気密性の高い現代の住宅


また、こうした一酸化炭素中毒による事故の発生は、現代の住宅事情にも密接な関係があります。かつての日本家屋は木造がほとんどであり、すきま風が入ることも多かったのに対して、マンションなどの現代型の住宅は、気密性が高く暖かいかわりに、自然な換気がされにくく、こうした事故が発生しやすくなっているのです。閉めきった部屋で暖房器具やコンロなどを使用する際には、1時間に5分程度は窓を開けたり、換気扇をまわすなどして空気を入れ換えるようにすることを心がけましょう。さらに、スムーズな換気をおこなうには、2ヶ所以上(換気扇と窓、窓と窓など)の空気の出入り口をつくることも大切です。

お風呂などの給湯設備にも注意


また、ガス湯沸かし器や給湯器、ガス炊きのお風呂なども不完全燃焼を起こした場合は、一酸化炭素中毒による事故を招いてしまうおそれがあります。特に、排気筒のある煙突式風呂がまや大型湯沸かし器を屋内で使用する際には、隣接しているキッチンなどで換気扇をまわすと、風呂がまなどの排気が逆流して、浴室内で一酸化火炭素中毒を起こす可能性があるため注意しましょう。入浴中は窓を開けて換気をすることもできないため、日ごろから給湯設備の点検をおこなっておくことも重要です。

上記のように、一酸化炭素中毒は暖房中の室内やお風呂場といった温度の高い環境で起こることが多いため、火照りなどの初期症状が見過ごされがちです。そのため、こうした環境において頭痛やめまい、吐き気、フラフラするといった症状を感じたら、すぐに暖房器具などの使用を中止して、換気をすることが大切です。また、それでも症状がおさまらない場合は、すみやかに医療機関を受診するようにしましょう。

<参考>

http://www.tfd.metro.tokyo.jp/lfe/topics/201411/co.html

(住宅で起きる一酸化炭素中毒事故に注意! 東京消防庁)

http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/tthc/kankyou/soudan/sitsunai/carbonmonoxide.html

(一酸化炭素中毒に注意しましょう 東京都多摩立川保健所)