専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第35回

 最近、巷を賑わせている高反発のギアやボールですが、"ルール不適合"ということで、正式には使用できないようです。俗に「違反クラブ」と言われているシロモノですからね。

 じゃあ"違反"とは何でしょう?

 例えば、高校野球の金属バット使用はどうなんですか。プロ野球のルールから言えば"違反"ですが、高校球児は、技術的にも、体力的にもまだまだ未熟。木製バットではなかなか打てないし、ホームランなんて滅多に出ない。木製は折れるから費用もかかる。ならば、高反発の金属バットを使ってもいいんじゃない、となっています。

 これを、ゴルフに置き換えますと、我々アマチュアゴルファーは高校球児、あるいは草野球の参加者みたいな扱いです。それに対して、世界のゴルフ界の総本山『R&A(全英ゴルフ協会)』の正式なレギュレーションにのっとり、「ルール不適合クラブでプレーをしてはダメ」というのは、おかしな話でしょう。

 本来、アマチュアゴルファーは、金属バットに相当する高反発クラブや高反発ボールを使用してもいい、というのが筋だと思います。

 我々アベレージアマチュアにとっては、"試合"と言っても、所詮は友だち同士のコンペですから。その際は、コンペの幹事さんにでも、「高反発クラブやボールを使うよ」と、断りを入れればいいのかもしれません。ただし、「このボール、違反なんだけど、飛ぶから使わしてもらうね」などと言って、ドラコンを獲った日には、みんなからの"高反発"を買うと思いますけど......。

 それはいいとして、高反発系のギアについて、具体的なお話をしていきましょう。まずは、ドライバーから。

 そもそも、地方の小さな工房などで造っている「地クラブ」などでは、以前から高反発クラブを販売していました。ところが今年になって、大手メーカーのPRGR(プロギア)から、『スーパー・エッグ』なる高反発ドライバーが発売されたのです。それについては各ゴルフ団体も、最近はゴルフの多様性を認め、「そういうクラブがあってもいいんじゃない」的な解釈をしていて、おおむね好意的に受け入れているようです。

 それで、実際のところ『スーパー・エッグ』はどれだけ飛ぶのかというと、反発係数の規制は0.83以下ですが、『スーパー・エッグ』は0.85以上と言われています。これは簡単に言うと、ボールに対して1の力で当てるときの反発具合を数値で表したものですが、細かいことはよくわかりません。

 ともあれ、知り合いのゴルフ関係者から話を聞くと、「確かに飛ぶ」と言っていました。メーカーの理論値では、平均飛距離200ヤードの人は、『スーパー・エッグ』で打てば、225ヤードぐらい飛ぶ計算になっています。アマチュアが実際に打つと、ミスも多発するので、まあ10ヤードぐらいの飛距離アップかな、と思いますけど、それでも十分ですよね。

 特徴としては、シニア向けゆえ、シャフトが柔らかめだとか。そこら辺は今後、自分で調整するといいかもしれません。

 一方、高反発ボールですが、これはワークスゴルフというメーカーから『飛匠 レッドラベル 極』という名前で販売されています。小売価格は、1ダース3980円(税別)となっていて、高級ボールに比べてお手頃な値段なのがうれしいです。

 実はこのボール、私も某ゴルフ雑誌でテストしたことがあって、確実に飛ぶことが実証できました。

 飛距離の出ない私ですが、スイングは安定していて、ルール適合ボールだと200ヤードそこそこだったのが、『飛匠』だけは210ヤード台を安定してキープ。これは、各社のボールを数十球打っての結果ですから、そんなに間違っていないと思います。

 ちなみに、『飛匠』のホームページを見たら、なんと最後に、その私の書いた某雑誌のレポート記事が貼ってありました。あちゃ〜。まあ別に、メーカーからはボールの1球ももらわず、シビアに計測したからいいんですけどね。

 そんなわけで、『スーパー・エッグ』ドライバーと『飛匠』のボールを使ってラウンドしたら、きっと20ヤードは飛距離が伸びるんじゃないですか。そんなことを考えると、「夜も眠れません」というお父さん、結構いると思いますね。

 アマチュアは、やはり50歳を過ぎると、飛距離が落ちます。器具に頼って飛ばすのは、そんなに悪いことではないと思います。ゴルフ倶楽部の競技などでも今後、シニア競技に限り、高反発ギア&ボールを使ってもいいとか、あるいは、高反発ギアに対応した競技が始まるかもしれませんね。

 高反発系の品々は、オジさんたちにとっては、まさにゴルフ界の"ED薬"といったところかもしれません。

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa