喘息でピンチ!?(写真はデビューCD「目を覚ませ/Go My Way」Well stone bros.feat.吉田沙保里より)

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 マスメディアでは「霊長類最強女子」とも称される女子レスリングの吉田沙保里選手。12月21日に開幕した全日本選手権を目前に「喘息」の診断事実が公表された。数週間前から「何かおかしい、病気かもしれない......」との自覚症状があり、今月10日、病院で診断を受け判明。「薬を吸引したら楽になった」と全日本選手権には臨んだが、「今後の症状自体ではリオ五輪出場も......」と不安視する記事も散見する。

 9月の世界選手権前から咳が止まらなくなり、走ったり練習中にも「呼吸があがる」、夜は夜で「寝ても寝られないことが......」と周囲に漏らしていたという吉田選手。新聞紙面からは症状の詳細が読み取れないが、いわゆる笛状の「ヒュ〜ヒュ〜」や「ゼ〜ゼ〜」の喘鳴(ぜいめい)が特徴的な気管支喘息なのか否か!?

喘息と咳喘息と咳嗽は似て非なる病い

 というのも、もし最近よく耳にする「咳喘息」、ないしは症状の似ている「アトピー咳嗽(がいそう)」では、このような喘鳴や呼吸困難がないのが特徴だ。いずれも喘息の「前段階」あるいは「亜型」と考えられているが、咳喘息と咳嗽の区別も、前者は喘息と同じ気管支拡張薬が効くが、後者は効かないから、そこで見極めるしか方法がないといわれる。ネット上では、その微差を見抜けない医者の認識不足を嘆く書き込みも少なくない。

 前段階とされる咳喘息は、吸入ステロイド剤や気管支拡張薬によって「気管支喘息」への移行を軽減できるが、約3割の人が治らずに移行してしまうとか。「喘鳴がない」「呼吸困難(喘息発作)は出ない」という相違点以外に咳喘息を疑る方法としては
 
=發里任覆ざ咳が慢性的(8週間以上)に続く
過去に喘息に罹ったことがない
7敕戮了彪磧焚駭鍛罅ξ箋ぁ線香・香水......)でも激しく咳込む。

 あるいはストレスやハウスダストが発作の原因とも考えられており、夜間の咳で不眠を強いられるなど気管支喘息との類似性も多いので専門医(呼吸器内科、アレルギー科、耳鼻咽喉科)の助言を仰ぐべきだろう。

 33歳の吉田選手も想定外の天敵に急襲されたかたちだが、成人喘息の患者数は約8万人対象の健保組合レセプト調査(環境保全機構)や静岡県藤岡市での経年調査(厚生労働省)から分析して、2000年前後から「約10年で2倍増」「小児喘息の増加率超え?」とする学会報告もある。

 また、成人喘息は非アトピー型が半数以上ともいわれ、40歳を超えてからストレスが原因で初めて発症する例も増え、喘息は「子供の病気」とばかりは言えなくなってきている。2006年から厚労省が「喘息死ゼロ作戦」というプロジェクトを推進し、病気への自覚と発作予防を呼びかけているのも時代の趨勢だろう。

オトナ喘息の放置は死に至る例も

 そんなオトナ喘息で長年苦しめられたのが、あの感動ドラマ『101回目のプロポーズ』で知られる男優の長谷川初範さん。20代から呼吸困難や微熱を覚えても毎回「風邪」と診断され、血液検査やX線検査でも看過されやすいオトナ喘息の陥穽に悩まされ続けたとか。ある時は高速道路の運転中に発作が起きて危機一髪という体験も。長谷川さんが最初の発作から「重症の喘息です」と告げられるまでには、6年もの歳月が流れていたそうだ。

 加えて最近の新たな難題が中国大陸から海を越えて舞い降りてくるPM2.5(Particulate Matter 2.5)は、気道や肺に沈着しやすい直径の超微粒子で、気管支喘息や気管支炎の原因となる。TVニュースは連日「北京でまた『赤色警報』が発令。市内では交通規制が実施され」と伝えているが、今後は日本国内でもこの怪物の猛威で喘息患者が増えるのは必至だろう。喉に違和感を覚えたら早期受診を!
(文=編集部)