クックCEO、アップルへの批判に反論:CBSの報道番組

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アップルのティム・クックCEOは12月20日、CBSの「60 Minutes」に出演し、iPhoneカメラが高性能である理由や、同社の税金対策、製品の暗号化問題などについて語った。

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アップルティム・クック最高経営責任者(CEO)は12月20日(米国時間)、CBSの報道番組「60 Minutes」に出演し、さまざまな質問に答えた。

このインタヴューでは、iPhoneカメラが高性能である理由や、同社の税金対策、中国での製造の利点、メッセージ通信の暗号化問題などについて言及した。

まずクックCEOは、iPhoneカメラが高性能である理由を説明した。アップルには、グラハム・タウンゼントというディレクターが率いるカメラ専門のチームが存在し、「800名のエンジニアとスペシャリスト」が含まれているのだという。

中国にあるアップル工場における労働環境に関しては、中国での製造で何よりも貴重なのは、「安価な労働力」ではなく「技術だ」とクックCEOは述べた。

一方、同番組司会者のチャーリー・ローズは、アップルが米国以外の国で得た740億ドルの売上に対する税金を支払っていないとする申し立てについて追及した。クックは2013年、上院の調査委員会で、同社の税対策に関して徹底的な追及を受け、「最も悪質な違反者」だと指摘された経験がある。

「巧妙な企てだ」としたローズ氏のコメントに対して、クックCEOは次のように答えた。「それはまったくの政治的なたわごとです。真実ではありません。アップルは、課された税金を全額支払っています」

同社が米国のどの企業よりも海外で資金を保有していることを指摘されたクックCEOは、米国の税制が変わらない限り、それをアメリカ国内に戻さないと述べた。「チャーリー、それは税法のせいです。現在の税法は産業時代のためのものであって、デジタル時代のものではないのです」

「時代遅れだし、米国にとってひどいものだ。ずっと前に正すべきだったのに、後手に回っているのです」とクックCEOは述べた。

「端末間のiMessage暗号化」問題については、クックCEOは、アップルは現在の方針を変えることはないと繰り返し述べた。すなわち、政府から正式に依頼を受けても、同社はメッセージの中身を読み取ることができない状態を続けるという。

テロ事件に絡み、FBIなどでは製品の暗号機能を弱めるべきだという意見が強まってきている。しかしクックCEOは、これは「プライヴァシーか、それとも国家の安全か」という問題だとは思わないと述べた。

「読み取る方法が存在すれば、誰かがきっとその方法を見つけ出すという問題なのです」とクックCEOは指摘する。

「(捜査などのために警察がアクセスできる)バックドアをつくるべきだという意見もあります。しかし現実には、バックドアをつくれば、それは、善人も悪人も含めた、すべての人にとってのバックドアになってしまうのです」

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