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レッドハットは12月21日、日本法人の新社長に就任した望月弘一氏が2015年の事業の振り返りと2016年の事業方針、戦略に関する会見を行った。

同氏は1963年生まれの52才で栃木県出身。1986年に日本IBMに入社した後、営業担当者として日本やアジア太平洋地域で営業、戦略、マーケティング管理などの職務に従事。1998年から2年間の米IBM本社勤務、2000年から営業部長を経験し、2004年にアジア太平洋地域グローバル・サービス事業オペレーションズ本部長に就任、当該地域でのサービス事業の戦略立案、事業展開をリードした。

そして、2005年に日本のグローバル・サービス事業オペレーションズ本部長兼理事、2007年にグローバル・ファイナンシング事業部長に就任し、2010年に退社。2010年からはNTTが買収した南アフリカのIT大手、ディメンションデータの日本法人であるディメンションデータジャパンの代表取締役社長に就き、以来5年間、同社のセールスやソリューションサービス、マネージドサービス、プロフェッショナルサービス、財務、およびすべての支援部門を含む日本事業を統括してきた。

記者会見では最初に米レッドハットの2016年度第3四半期の業績について説明し、売り上げは前年同期比15%増の5億2,400万ドル(実質ベース21%増)、サブスクリプション売り上げは同16%増の4億5,700万ドル(同22%増)に達したことを明らかにした。

続いて今年度の事業戦略の振り返りトピックとして、クラウド/モバイル事業はエンタープライズ向けOpenStackである「Red Hat Enterprise Linux OpenStack」の国内実績の伸長やクラウド認定サービスプロバイダーの拡充、PaaS基盤のソフトウェア「OpenShift Enterprise 3」、モバイルーサービスの「Red Hat Mobile Application Platform」の投入を挙げた。

これ以外では、ビッグデータ&IoT事業はリアルタイムビッグデータシステムへの導入が普及し、組み込みディストリビューターパートナー制度の発表をはじめIoT事業基盤を構築した点や、SDS(Software Defined Storage:ソフトウェア定義型ストレージ)の事業基盤を構築。さらに、データセンター刷新事業ではメインフレーム市場のオープン化の促進や、アプリケーションのモダナイゼーション支援事業、通信、製造、サービス業で新しい実績を有する好調なBRMS(Business Rule Management System)市場におけるNo.1リーダーシップ、パートナー協業事業を拡大した点を挙げた。

最近の市場についてはUberやFacebookなど破壊的なビジネスモデルの企業が市場を席巻しており、そのような企業に対し貢献しているのがオープンソースだと指摘し「これまで、UNIXを代替するLinuxやプロプライエタリなソフトウェアの代替品としてのオープンソーステクノロジーから、OpenStackをはじめオープンソーステクノロジーそのものがビジネスイノベーションを牽引していることが顕著になっている」と述べた。

また同氏は「現在、66%のグローバル企業が何か新しいプロジェクト起こそうと考えたときにオープンソースが最初の選択となり、これまではコスト低減や特定のベンダーからのロックインを避けたいということが採用理由の中心だったが、近年では堅牢なセキュリティ環境の構築、開発の容易性、スケーラビリティなどにシフトしている」と分析した。

そのような状況を鑑みて、同社は2016年(2017年度)はRed Hat Enterprise Linuxとコンテナテクノロジーをコア・コンピタンス(競争の源泉)としてクラウドビジネス、ITマネージメントビジネス、アプリケーションプラットフォームビジネスの3つを柱に事業を展開していくという。

そして同氏は「顧客に対し、単純なOSベンダーではなく、ITインフラの観点で包括的なパートナーでありたいと考えており、結果として顧客のビジネスイノベーションに貢献していきたい」と抱負を語った。

その上で、顧客に提供するバリューとして柔軟で迅速、革新的なIT環境の構築、次世代ITマネージメント&自動化、革新的なビジネスモデルの実行支援、業務効率化を図るとした。

今後3年間のビジネス目標について同氏は「国内IT市場成長に対して大幅な成長、3年間のビジネスプランで大幅売り上げ増、Linuxビジネスの成長を維持しつつクラウド、ITマネージメント、アプリケーション基盤ビジネスの大幅拡大、従業員数の大幅増強、地域拠点の拡充と強化を実現していく」と胸を張った。

(岩井 健太)