SpaceX、大型ロケット Falcon 9第1段の垂直着陸に成功。打ち上げコスト削減に1歩前進

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実業家イーロン・マスクの宇宙開発企業 SpaceX が、Falcon 9 ロケット第1段部分の垂直着陸に成功しました。SpaceX にとっては数回の着陸失敗を経て初めての成功。しかも Blue Origin の成功例とは異なり、実際に宇宙へ人工衛生を送り届ける仕事をこなしてからの帰還です。これまで Falcon 9 ロケットは3度に渡って垂直着陸を失敗。イーロン・マスク CEO の誕生日でもあった2015年6月28日の打ち上げでは、リフトオフから2分20秒後に液体酸素タンクの圧力異常が発生、ロケットもろとも木っ端微塵となり、初めて打ち上げそのものにも失敗する事態となっていました。

SpaceX が度重なる失敗により足踏みをする一方で、米Amzon CEO のジェフ・ベゾスが創設した Blue Origin もまたロケットの機体回収実用化に向けたテストを実施。小型ロケット New Shepard を、宇宙とみなされる高度約100.5kmまで弾道飛行させたうえ、初の垂直着陸も成功させています。

失敗からの仕切り直しとなった SpaceX は、今回の打ち上げを12月20日に設定。しかし打ち上げ直前、 SpaceX は翌日のほうが10%ほど気象条件が良いとして計画を1日遅らせる決断を下します。これまでの失敗を踏まえて、成功のために少しでも好条件での実施を選択することとなりました。



迎えた21日、打ち上げに成功した Falcon 9 ロケットは順調に軌道へと到達。複数の通信衛星を積んだ第2段ロケットを切り離します。第2段ロケットは通信衛星を無事に軌道へと投入しました。そして、残すはロケット第1段目の回収、つまり垂直着陸を残すのみとなりました。

第1段ロケットは、燃料の噴射で減速しながら降下。目標となるケープ・カナヴェラル空軍基地の着陸ステージの上に舞い降りてきた第1段ロケットは、そのまますんなりと軟着陸を果たしました。
  
現在、Falcon 9 ロケットの打ち上げ費用は612万ドル前後とされます。しかしこの第1段の回収が確実に可能となれば、打ち上げ費用は約1/10ほどに低減できるとのこと。SpaceX は最終的にはロケットすべての回収を目指す計画としており、実現すればさらに低コストで「手軽な」ロケットの打ち上げが実現しそうです。

ちなみにニューシェパードの着陸成功時、イーロン・マスクから祝福を受けた Blue Origin のジェフ・べゾス は、Falcon 9 着陸後すぐさまお祝いツイートを 発射 しています。



打ち上げから着陸成功、衛生の分離など全体を収めた動画。打ち上げは22分頃、着陸の瞬間は32分頃です。