嗅覚の衰えは自覚しにくいが

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嗅覚の衰えや嗅覚障害がある人は、正常な人よりも軽度認知障害の発症リスクが高いとする研究結果を、米ミネソタ州メイヨークリニックのローズバッド・ロバーツ博士らの研究グループが発表した。

軽度認知障害は、記憶や決定、動機づけといった認知機能の一部が低下しているものの、日常生活を送るうえでは問題がない状態。ただし、適切な処置をおこなわず、そのまま放置していると、5年以内に認知症を発症するリスクが極めて高いとされている。

ロバーツ博士らは、認知症やアルツハイマー病の患者に、嗅覚障害が多いことを指摘する先行研究が多いことに注目。軽度認知障害やアルツハイマー病の早期発見のマーカー(指標)として、嗅覚検査が利用できるのではないかと推測した。2004〜2010年の間に65歳以上になった1630人を対象に嗅覚検査を実施し、2014年に認知症や軽度認知症の発症状況を調査した。

嗅覚検査は、簡易嗅覚試験(B-SIT)と呼ばれる、数枚の試験紙につけられた匂いを嗅ぎ、あらかじめ用意された選択肢の中から該当する匂いを回答するという方法。

その結果、嗅覚が「普通」と判断された人に対し、「やや鈍い」人の軽度認知障害の発症リスクが1.12倍、「鈍い」人が1.95倍、「とても鈍い」人は2.18倍となっていた。

発表は米国医師会の神経学専門誌「JAMA Neurology」オンライン版に、2015年11月16日掲載された。

参考論文
Association Between Olfactory Dysfunction and Amnestic Mild Cognitive Impairment and Alzheimer Disease Dementia.
DOI: 10.1001/jamaneurol.2015.2952. PMID: 26569387

(Aging Style)