東京スカイツリーと東京タワー―鬼門の塔と裏鬼門の塔

写真拡大

1958年の12月23日に完成した東京タワー。電波塔としての役目を終え、新名所・東京スカイツリーが登場した今でも"首都の象徴"として多くの人に愛されている。12月はクリスマスのイルミネーションに彩られるなどいつもと違う装いの美しさも格別。今回は ミステリーから長編恋愛小説まで「東京タワー」にまつわる3冊をご紹介。

J-CASTニュースの書籍サイト「BOOKウォッチ(http://www.j-cast.com/bookwatch/)」でも特集記事を公開中。

2つの塔から江戸・東京の"鬼門"の秘密が浮かび上がる

東京の"新旧"の電波塔が実は、皇居の鬼門と裏鬼門の方角に向かい合うようにそびえ立つ。果たしてこれが偶然なのか?『東京スカイツリーと東京タワー―鬼門の塔と裏鬼門の塔』(著・細野透、1728円、建築資料研究社)では、一級建築士であり、建築・住宅ジャーナリストの細野氏が1000年前に予言されていたという新タワーの"幸運"や2つの電波塔の隠された正体について考察する。

「鬼門とは何か」「江戸の鬼門対策」「鬼門と明治維新」「世界の『タンゲ』一代記」「富士山に魅せられた建築家」「西郷隆盛像の大きな目」「鬼門の塔、裏鬼門の塔」「『作庭記』の予言」など全12章。

平将門、西郷隆盛から丹下健三まで、歴史的人物が登場する時空を超えた壮大なスケールの謎解きが楽しめる。

"東京タワー"にいつも見守られていた2つのラブストーリー

大学生の透は恋の極みにいた。年上の詩史と過ごす甘くゆるやかなひと時、世界は満ちたりていた。恋はするものじゃなく、おちるものだ。透はそれを詩史に教わった。一方、透の親友・耕二は、女子大生の恋人がいながらも、魅惑的な喜美子に夢中だった...。

東京タワーの見えるマンションに母親とふたりで住んでいる20歳の大学生、透とその親友耕二。そして彼らの年上の恋人、詩史と喜美子。東京タワーが見守る街で、2組の対極的な恋人たちの様子が男子2人の目線で描かれた恋愛小説、『東京タワー』(著・江國香織、1512円、マガジンハウス)。

2005年には、黒木瞳、岡田准一主演で、この作品を原作とした映画「東京タワー Tokyo Tower」が公開され、14年には韓国で本作を原案としたドラマ「密会」が放送され、高視聴率を上げた。

自分の姿に置き換えて共感できる、現代社会のサラリーマン物語

銀行員の今井は、取引先の町工場の社長にマンション経営を勧め、オーナーの座に就かせたが、経営はすぐに行き詰まり、マンションは競売にかけられることに。人を幸せにするために仕事をしていたはずなのに、いつの間にか不幸にしてしまった。「東京タワーって優しい気持ちのときには鮮やかに見えるのです」...社長は怒りを抑えて呟いた。その言葉が、今井の荒んだ心に沁み入る......。

元銀行マンである著者が贈る経済小説短編集、『東京タワーが見えますか。』(著・江上剛、713円、講談社)。働く人すべてに"働くこと""生きること"を問いかける。

ほかに「ある男の人生」「大過なく」「座敷わらし」「爺捨て山騒動記」「まだまだ」「マラソン先生」の全7編を収録している。