3D Robotics Solo(イメージ)

2015年12月21日
TEXT:小川 浩(シリアルアントレプレナー)

Google持株会社あるAlphabet(以下、面倒なのでGoogleに統一)は、ドローンによる商品配送を2017年までに実用化すると発表している。

もちろん法的な規制をいくつもクリアする必要があるから、簡単にはいかないだろうが、自動車の無人運転技術やスマートハウスなどの実験を繰り返すGoogleからすれば、ドローンの制御はむしろ実現しやすい課題のように思う。

ドローンの実用化領域としては、軍用のような偵察や監視目的での利用が簡単に想定され、それが市民生活を脅かしかねない懸念材料として、ドローンの市場の拡大を簡単には許さないわけだが、Googleはまず商用として、配送目的、いうならば効率的な流通の整備というお題目に集中して、ドローンの意義を一般認知させていこうという考えのようだ。

商品の配送、ということであれば、リアルの流通大手であるウォルマートなどや、ECの王者であるAmazonもまた、同様の取り組みを発表している。特にテクノロジー企業としてはGoogleに引けを取らないAmazonは、この分野での覇権をGoogleに簡単に譲るような真似はしまい。ちなみにGoogleのプロジェクト名は「Project Wing」、Amazonのそれは「Prime Air」だが、どちらが一般認知されやすいだろうか。

冒頭で述べたが、ドローンの制御技術は、基本的に無人走行の自動車と変わらない。というか、OSによって遠隔操作される”動くコンピュータ”である。

この分野においては、動くオブジェクト(ドローンであったり自動車など)の技術以上に、それをコントロールするソフトウェアと通信技術に意義がある。つまりOSだ。となると、次に乗り込んでくるのは間違いなくAppleだろう。

PCからモバイルへとOSの必要は広がってきたが、今後は”動く”オブジェクトへと広がることになる。PC時代のOSの王者はマイクロソフトだが、モバイル時代はAppleとGoogleだ。

クローンや車、スマートハウスなど、OSでコントロールされるべき対象=オブジェクトが広がっていく以上、AppleとGoogleを軸とした新しい”戦争”が起きるのは間違いがない。

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[筆者プロフィール]
おがわ・ひろ●シリアルアントレプレナー。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)、『仕事で使える!「Twitter」超入門』(青春出版社)、『ソーシャルメディアマーケティング』(ソフトバンククリエイティブ/共著)などがある。
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