子どもの「吃音(どもり)」を見過ごさないために知っておくべきことって?

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自分の意思とは関係なく、言葉がスムーズに出ない吃音。子どもは、2歳前後をピークに5歳までの幼児期にもっとも表れやすいと言われています。まだ言葉がままならない年齢だからこそ、見過ごしてしまいがちです。自然治癒する人もいますが、治療しなければ重症化してしまうこともあります。子どもの吃音に気づくためには、子どもと密にコミュニケーションをとることはもちろん、基本的な症状を知っておくことが大切です。

「吃音症(きつおんしょう)」とは?


吃音症は、話すときにスムーズに言葉が出てこない状態を言います。ひと昔前までは「どもり」といわれ、疾病としてとらえられておらず、患う人たちは相当な苦労を強いられたと言います。

吃音には、青年期以降に発症する「獲得性吃音」と、幼児期に発症する「発達性吃音」の2つに分けられます。「獲得性吃音」は脳の病気が原因となっていたり、心的ストレスが要因となっていたりします。一方で「発達性吃音」の原因はよくわかっていません。吃音の多くは幼児期に発症する発達性吃音が占めており、遺伝的要素や環境的な要因が合わさって起こるのではないかと考えられています。

吃音の症状とは


吃音は主に次の3つの症状に分類されます。

第1段階:難発型


例:「り……」
「りんご」と言おうとしているのに「り……」で止まってしまう状態です。最初の音でつまり、その後の言葉が続きません。吃音が発生するときはこの場合が多いです。ほとんどの人はこの段階で自覚はありません。

●第2段階:連発型


例:「り、り、りんご」
「りんご」と言おうとしているのに、「り、り、りんご」と最初の音を繰り返してしまう状態です。難発型の次におとずれるのが連発型です。この段階でも自覚がない人が多いです。

第3段階:伸発型


例:「りーーーんご」
「りんご」と言おうとしているのに「りーーーんご」と最初の音を引き延ばしてしまう状態です。連発型と同時に発症することが多く、言葉を連発したり伸ばしたりします。この段階になって異変に気付くことが多いです。

第4段階:難発・伸発


例:「……りーーーんご」
最初の音が出にくいことに加え、言葉を引き伸ばすことが多くなります。この段階になると、多くの人が吃音を自覚します。

第5段階:連発・伸発・難発


例:「……り、り、り、りんごが食べたい。れーーーいぞうこにある?」
言葉がスムーズに出なくなります。なかには言葉を発することや、話す場面を避けようとする人も出てきます。

子どもの様子に気づくことが大切


幼児期にあらわれる吃音は、多くの場合は小学校へ入学するまでに自然に治ります。しかし治らないまま学齢期を迎える人もいます。いち早く子どもの異変に気づき、適切な治療を受けることが大切です。吃音症の診察は主に耳鼻咽喉科や神経科、精神科、心療内科、リハビリテーション科などが行っています。言語障害などを治療する言語聴覚士がいれば診察可能です。

監修:坂本忍(医師)