現役世代が、週末に“寝だめ”をしなければならないのは、仕方がない面もある。しかし、休日の睡眠時間が平日より3時間以上も長い場合は、かなり体に負担が掛かっている証拠で、すでに“黄信号”である。
 日本人の就労成人のうち60%は、平日が短く土日が長い睡眠パターンである。土日の睡眠でどうにか帳尻を合わせているのだ。
 慢性的な睡眠不足が続くと、日中の眠気やそれに伴うイライラや倦怠感、集中力や判断力の低下など、睡眠不足症候群の症状が現れてくる。

 「覚醒を維持しようと神経伝達物質のカテコールアミンが分泌されるので、一種の喧騒状態となり、血圧や血糖も上昇してしまいます。平日の睡眠不足を土日の睡眠でやり繰りできればまだいいが、土日に寝すぎて夜更かしすると睡眠のリズムを崩しやすい。夜眠れず、朝起きられない状態になると、『睡眠覚醒リズム障害』という別の睡眠障害になってしまいます」
 こう言うのは、東邦大学病院大橋病院・精神神経科の中島聖准教授だ。
 「普段、睡眠不足の人は、睡眠覚醒リズム障害に要注意です。深夜、眠る前にテレビを見るにしても、2日連続はやめること、睡眠を分断して取らないこと、通常通りの時間帯に起きることが大切です」(同)
 自分が睡眠不足症候群かどうか調べるには、起床時間と就寝時間をグラフ上に記入する「睡眠・覚醒リズム表」を作成し、これを3週間分ぐらい記録してから、医師の診断を受けると良い。

 中には、明らかな睡眠不足にもかかわらず、真剣に「睡眠時間を短くする方法はないか」と聞いてくる患者もいるという。
 「残念ながら、自分に合った睡眠時間を十分取るほかに方法はありません。大事なのは本人に気付いてもらうことなのです」(同)

 入眠の睡眠リズムを調節するには、青色LED光射器の人口光を浴びるのも有効だ。朝浴びると眠くなる時間が早くなり、夕方に浴びると遅くなるといわれる。
 脳を休める深い眠りは、寝入りばなの3時間にまとめてやってくる。それ以後は、覚醒に向けた浅い眠りが増える。浅い眠りが終わったところで、うまく目が覚めれば快適に起きられるはずだ。一晩の睡眠で3〜5回、このタイミングがやってくるという。
 「自然に目が覚めたら、もう二度寝はやめて起きてしまうこと」
 前出の中島医師は言う。そうすれば、夜はきちんと眠くなる。継続的な早寝早起きの習慣は、無理をしては続かない。

 さまざまな例を参考にして、自分に一番合った方法を見つけよう。