糖尿病の治療薬としては20年以上前から認知されている(写真はイメージです)

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2016年、世界初の「アンチエイジング薬」の臨床試験が始まる。

薬の名前は「メトフォルミン」。糖尿病の治療薬として、1990年代から全世界で使用されている薬だ。研究者らは、メトフォルミンが老化を遅らせ、加齢に伴う病気を予防する可能性があるとみている。実現すれば、健康寿命が120歳まで延びると予測される。

これまでに動物を用いた複数の研究で、メトフォルミンによって健康寿命が延びることが証明されている。たとえば、2013年にベルギーの研究者らが線虫を用いて行った実験では、メトフォルミンが線虫の老化を遅らせ、健康な状態で長生きさせられることがわかった。同年の米国立衛生研究所によるマウスを使った調査でも、メトフォルミンによって健康寿命が延びたと報告されている。また、2014年に英カーディフ大学が行った調査では、メトフォルミンを服用していた糖尿病患者は、健康な人より長生きする傾向にあったという報告も。

こうした結果を受け、米食品医薬品局(FDA)は2015年11月、ヒトでの臨床試験にゴーサインを出した。研究者らは、メトフォルミンのヒトでの効果が実証されれば、がんや糖尿病、認知症など加齢に伴って増える個々の病気に対処するのではなく、加齢自体を遅らせることでさまざまな病気を予防することが可能になると期待している。

臨床試験は来年の冬、がん、心臓病、認知症のリスクがある70〜80代の男女3000人を対象に実施される予定だ。

参考論文
Metformin promotes lifespan through mitohormesis via the peroxiredoxin PRDX-2.
DOI:10.1073/ PMID:24889636
Metformin improves healthspan and lifespan in mice.
DOI:10.1038/ PMID:23900241

(Aging Style)