左から高校時代の渡邊 雄貴選手、児山 祐斗選手

 1887年(明治20年)に創設以来、明治、大正、昭和、平成四代にわたって約43,000人以上の卒業生を送り出してきた歴史ある関西高校。野球部の歴史も長く、1948年の初出場から、夏の甲子園出場9回、春の選抜出場12回を誇る。卒業生はダース ローマシュ匡(元日本ハム)、上田 剛史(ヤクルト)などのプロ野球選手だけでなく、大学野球、社会人野球でプレーする選手も多い関西高校。強豪ひしめく岡山県の高校野球界をリードする関西高校のつながりに迫っていきたい。

1995年の選抜から全国クラスの強豪へ昇華

 1948年に夏の甲子園に初出場を果たすと、県大会では倉敷商や倉敷工などとしのぎを削る存在になった。甲子園大会では、1994年までは春夏共に準々決勝進出が最高成績で、出場を果たすも一回戦敗退が続くこともあった。

 関西高校に転機が訪れたのは1995年の春の甲子園。エースの吉年 滝徳投手(元広島東洋カープ)の活躍でベスト4へ進出する大躍進を果たした。同じ年の夏の甲子園にも出場を果たし、3回戦まで進出した。その後も春の甲子園では2002年にベスト4まで進出している。

 2005年からの10年間で、関西高校は春夏合わせて10回甲子園に出場。特に2011年夏の甲子園では水原 浩登(立正大)を主戦投手に据え、九州国際大付や、明豊高校などの強豪校に勝利し、夏の甲子園で初めてとなるベスト4進出を果たしている。

 近年では2012年の明治神宮大会で好左腕・児山 祐斗(東京ヤクルトスワローズ)を擁し準優勝。さらに続く2013年の春の甲子園にも出場する。2014年夏の甲子園にも逢澤 崚介(明治大)、海野 隆司らの活躍で出場した。

 長い歴史を持ち、強豪ひしめく岡山県内で安定した強さを誇り、甲子園の常連校でもある関西高校。高校野球ファンの記憶に強く残る関西野球はこれからも続く。

[page_break:近年の卒業生たち]近年の卒業生たち

 近年の卒業生たちを振り返るとプロ入り4名、さらに大学、社会人でも続ける選手を見ると、野手の活躍が多い。高校時代から走攻守で高い能力を発揮していた選手が多く、今後も多くの好選手を輩出しそうだ。

■2006年卒・松本 雅俊(法政大−日本通運)

■2007年卒・ダース ローマシュ匡(元北海道日本ハムファイタ−ズ)・上田 剛史(東京ヤクルトスワローズ)

■2011年卒・佐薙 晃貴(関西国際大−JFE西日本)

■2012年卒・渡辺 雄貴(横浜DeNAベイスターズ)・水原 浩登(立正大)・堅田 裕太(法政大−ツネイシ入社予定)・小倉 貴大(明治大-JFE東日本入社予定)

■2013年卒・佐藤 翔也(専修大)

■2014年卒・松本 一輝(環太平洋大)・児山 祐斗(東京ヤクルトスワロ−ズ)

■2015年卒・逢澤 崚介(明治大)・小郷 裕哉(立正大)・土井 慎二(立正大)・田中 雅之(大阪体育大)

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