「一人でいる幸せを!」“カップル撲滅”を謳うシンガーのクリスマス論
 クリスマスも秒読みとなり、内心焦りを覚えるシングル女性たちも多いのでは?

 そんな中、「一人でいる幸せをかみしめよう!」と呼びかけるシンガーソングライターがいるというので、話を聞いてきました。

◆幸せな歌が苦痛なときもある

―――「一人でいるほうが幸せ」と謳うのは、シンガーソングライター“鼻毛の森”さん。名前からしてユニークですが、なぜこの名前なのでしょうか?

鼻毛の森さん(以下、鼻毛の森):そうですね。恋愛って、世間一般に言われるような“スイーツな部分”だけではないじゃないですか。僕が歌っているのは、“見えているのに指摘できない”恋愛のデリケートなところなのですが、その“見えているのに指摘できない”ものの象徴として“鼻毛”という名前を選びました。

―――では、鼻毛の森さんはデリケートなところを歌になさっているのですね。

鼻毛の森:はい。恋愛のデリケート…というよりも、いわゆる“残念”な部分だけを作品にしています。恋愛って、実際には幸せな部分だけではないのに、従来のラブソングは、幸せな甘い部分だけにフィーチャーしがちですよね。それに浸れるときはいいでしょうが、そういう幸せな歌が逆に苦痛となる場合もあると思うんです。そんなときには、僕の“カップル撲滅ソング”が有効だと思うんです。

―――なるほど。確かに、鼻毛の森さんが12月2日に発売したベスト盤「鼻毛の森ベスト-GRAY-TASTE FITS-」の曲を見てみると、『それまではそばにいるよ』『幸せだと思うことにするよ』『だれでもよかっただから君でもよかった』『社会にあるだけの中のひとつ』などタイトルからして“残念”感が満載です。

◆「クリスマスはただの1日」

鼻毛の森:そもそもクリスマスだって、ただの1日じゃないですか。なのに、クリスマスだからと焦って恋人を作って特別な店に出かけても、べつに好きな相手でもないなら“つまらない”と感じたり、普段より高い値段を払って負担が増えたり、街が混んでいて単純に歩きづらかったり…と、踏んだり蹴ったりになりますよね。

 世の中にあおられて、自分を見失っても仕方ないと思うんです。それだったら、むしろ開き直っても“自分は自分”という道を進んだほうがいい。それに、余計な散財をしないですむから、本当に欲しいものをゆっくりと考えていいものを買えたりもしますし…。

―――おお、なんかかっこいいですね。ちなみに鼻毛の森さんの曲は、歌詞は残念な感じなのですが、曲は王道のJ−POPなので、聞きやすい仕上がりです。

鼻毛の森:2005年に発表した『歌わなかったラヴソング』から、10年。カップル撲滅運動を続けてきた自分の集大成のアルバムです。クリスマスや年末年始、ひとりぼっちで寂しいと感じる人たちには、僕の曲を聞いて“いやいや、ひとりでいてもよかった”と胸を張っていただければ幸いです。

『カップル撲滅運動』に乗るかどうかはともかくとして、「ひとりでいることを悲しんだり、寂しく思う必要はない」という言葉には、今の時期、特に力づけられる女性も多いのではないでしょうか。

●鼻毛の森公式ホームページ http://www.hanagenomori.com/

<TEXT・PHOTO/にらさわあきこ>
【にらさわあきこプロフィール】
NHKディレクターを経て、文筆業に。恋愛・美容などの分野で取材・執筆活動を行なう。著書に、『婚活難民』(光文社)『必ず結婚できる45のルール』(マガジンハウス)『婚活の神様! 』 など。恋愛・婚活研究所を主宰。『WEDGE(ウェッジ) Infinity』で「未婚大国ニッポン〜“絆”のゆくえ」を連載中