Q:1年前の12月にノロウイルスに感染して、嘔吐や下痢でひどい目に遭いました。家族にもうつしてしまいました。今年は新型のノロウイルスが流行するとのことですが、また感染する恐れはあるのでしょうか。予防法と併せて教えてください。(37歳・団体職員)

 A:ノロウイルスは、感染性胃腸炎の代表的なウイルスです。感染し、発症すると、嘔吐や下痢を引き起こします。症状は強烈です。ノロウイルスは31種類あって、従来の多くは遺伝子の型がG2/4ですが、今年の新型はG2/17で、遺伝子が変化しています。
 一般的にウイルスに一度感染すると、免疫(抗体)ができるので、再び感染することはありません。ところが、今回のノロウイルスのように、遺伝子が変化した新型に対しては抗体がないので、感染するリスクがあるわけです。
 ノロウイルスは11月ごろから流行が始まり、12月から翌年2月ごろまでピークが続きます。主に経口感染し、食品を介してのルートと、感染者の吐瀉物や便を介してのルートがあります。
 12月は忘年会などの行事が続き、外で飲食する機会が多い分、感染するリスクが高いわけです。

●塩素系漂白剤で消毒
 それでは、予防や対策はどうすれば良いでしょうか。ノロウイルスは家の外で感染し、家庭に持ち込まれます。外で飲食する場合、できれば海鮮食材の生ものは、食べないようにしましょう。
 また、帰宅したときには、手をよく洗いましょう。ハンドソープを使い、流水で手を洗うことをお勧めします。ノロウイルスは、極めて少ない量で感染します。ですから、包丁やまな板などの調理器具をよく洗うことが大事です。
 消毒についてですが、ノロウイルスはアルコールが効きません。有効なのは塩素系漂白剤です。液体の製品を水で薄めて、トイレのドアノブや電気のスイッチなどを消毒することも大事です。
 ノロウイルスに感染しても、発病しない人がいます。高齢者や小さい子供のいる家庭では、発病者がいなくても、感染予防に努めるようにしましょう。

菅間裕氏(菅間医院院長)
富山大学医学部卒。東京女子医科大学の外科勤務を経て、マグロ船の船医、離島での地域診療に長年携わった後、菅間医院を開業。地域医療、在宅医療に積極的に取り組み、病気の治療と予防に力を注ぐ。