相手にスキを見せないボミのスイング力は“勝ちきる強さ”の象徴(撮影:米山聡明)

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 今季の国内女子ツアーの優勝者の活躍を振り返り、強さの要因を探る“Playback LPGAtour2015”。第1回目は今季7勝を挙げ、初の賞金女王に輝いたイ・ボミ(韓国)をフォーカス。彼女が稼ぎ出した獲得賞金額2億3049万7057円は、2001年に伊澤利光が作った日本ツアー最高獲得賞金額2億1793万4583円を更新する記録的な数字。圧倒的な強さを誇った今季を振り返るともに、スイングの特徴を探っていく。
【解説】全てにおいてハイレベル!イ・ボミのスイング連続写真(計14枚)
 シーズンオフから賞金女王を目標に準備をしてきたボミは今季様々なツアー記録を更新していった。序盤戦はツアー史上初の4試合連続2位(※タイ含む)という“珍記録”を達成するなど活躍するも勝ちきれない試合が続いたが、5月の『ほけんの窓口レディース』で初勝利を挙げると、前半戦最後の試合となる6月の『アース・モンダミンカップ』で2勝目。6月中の1億円突破はツアー史上最速で、15試合での突破は2011年のアン・ソンジュと並ぶ記録となった。
 後半戦に入っても勢いは衰えるどころかさらに加速。8月末から9月初旬の『ニトリレディス』『ゴルフ5レディス』で2試合連続完全優勝。10月の『スタンレーレディス』で目標としていた年間5勝目を達成し、2009年の横峯さくらが樹立した国内女子ツアー最高獲得賞金額1億7501万6,384円を残り7試合の段階で更新した。唯一食らいついてきていたテレサ・ルー(台湾)を意識し、終盤までギアを緩めなかったボミは11月の『伊藤園レディス』優勝で“女子初の2億円プレーヤー”として賞金女王を確定させると、翌週の『大王製紙エリエールレディス』にも勝利し“伊澤超え”を果たしたのだった。
 パーオン率、パーセーブ率、平均パット…と記録も独占しているボミだが、1年間を通して安定感抜群だったスイング力は特筆すべきポイントだろう。ツアープロコーチの辻村明志氏は「すべてにおいてハイレベルです。特徴としてはドローヒッターで、アドレスでのアライメントの取り方と、ラインの出し方が非常に上手い」と評す。
 「テークバックは非常にシンプルでお腹とクラブが同調し、低く長く引いていて、スイング中もそのままの状態が保たれている。出球から逆算してテークバックしているように見えますね。ボールに対して上げるのではなく、打ち出したいラインに対して引けるので、迷いなく振っていけています。またダウンスイング以降も、ボールをしっかりと打ち抜くまで頭の位置が変わらずフォロースルーまで目線がインパクトゾーンから外れない。右足もフォローまで地面から離れないので体が一切ブレません(辻村)」。
 アドレスから余計な動きが入らず、自然なフェースローテーションを生かしてインパクトゾーンの精度の高さを維持しつつ、無理なくドローボールを打つボミ。お手本のようなスイングは緊迫した場面でも相手にスキを見せないボミの強さを象徴するものだろう。
解説・辻村明志(つじむらはるゆき)/1975年9月27日生まれ、福岡県出身。ツアープレーヤーとしてチャレンジツアー最高位2位などの成績を残し、2001年のアジアツアーQTでは3位に入り、翌年のアジアツアーにフル参戦した。コーチ転身後はツアー帯同コーチ、キャディーとして上田桃子、濱美咲らを指導。今季は上田の出場全試合に帯同。様々な女子プロのスイングの特徴を分析し、コーチングに活かしている。プロゴルファーの辻村明須香は実妹。
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