「新・牡丹と薔薇」(東海テレビ、フジテレビ 毎週 月〜金 ひる1時25分〜)12月16日(水)放送。第13話「愛が憎悪に変わるとき」より
脚本:中島丈博 演出:藤木靖之


無教養には思えない文学性


あっという間に、姉妹が仲直り。

美輪子(逢沢りな)は、すっかり恋の熱が冷め、多摩留(戸塚純貴)とはもう会わないと、ケータイを着信拒否にしてしまいます。
「やっぱり生まれ育ちっていうのがあるのね。」
「もともと教養がないんだわ。野卑で下品で。」
「なんだかぞっとしちゃったわ。こんな人と愛し合ってたのかって身震いしちゃったの」

恋愛の終わりって残酷ですね。

教養がないという指摘は、ロミジュリが墓でやってると間違った認識していたことに、美輪子が気づいたのでしょうか。
ぼたん(黛英里佳)が「もののけ」呼ばわりする多摩留は、美輪子に無視されて大荒れ。ストーカー化して、夜も昼も追いかけ回しはじめます。
そういえば、朝ドラ「あさが来た」でもちょうど、加野屋のまわりをうろつくあやしい男問題が勃発していました。偶然の一致でしょうか。

ぼたんは「すぐに帰りなさい!」と指を外に指し示す前近代的なポーズを決めながら、ぴしゃっと言います。
世奈子(田中美奈子)は「あんたなんかねお墓の番をしてればいいのよ」と酷い差別発言をし、アイスホッケーで鍛えたいい身体してるらしい瀬尾綱輝(片岡信和)は多摩留をぼこぼこに。
それで諦めるどころか、多摩留の行動はますますエスカレート。
まず、「会ってくれなければ死ぬ。絶望によって多くの魂が死ぬ」と無教養のわりには文学的な手紙を送ってきます。
その理由がすごい。
「自分が死ねば、自分の魂も死ぬんです。自分のなかには様々な魂があるので、それが全部死んでしまうんで・・・」って、深いけど、なんかやばい。

その後の、リベンジポルノは文学的じゃないですね。ふつう過ぎます。
ただ、多摩留、写真の腕は悪くない。妙に、ちゃんとしたアングルで撮っていて、グラビアみたいです。そういえば、ケータイで撮ってた美輪子の写真も構図が決まっていました。カメラマンになることをおすすめしたい。

問題は、あられもない写真は絶対見せず(当たり前ですが撮ってないんでしょう)、見てる人たちのリアクションで想像させること。
リベンジポルノという行為自体にもはや驚きがないうえ、写真も見せないのでは、守りに入っているとしか思えません。
昼ドラでは、予想だにしない美学のある世紀の犯罪を見せていただきたいものです。
(木俣冬)