【インタビュー】中川大志「日曜日の夜は「まるちゃん」を見て育ってきました」
1990年の放送開始から今年で25年目を迎える国民的人気アニメ「ちびまる子ちゃん」。23年ぶりとなる『映画ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年』で初めての声優に挑戦した中川大志さんにインタビュー。自身にとっても思いで深い「ちびまる子ちゃん」の世界で何を感じ、何を得たのか。また、俳優として作品に挑み続けた2015年を振り返っていただきました。


『声優初挑戦が、“あの”ちびまる子ちゃん!?と思いました(笑)』




――中川さんが生まれる前から放送されていた「ちびまる子ちゃん」ですが、23年ぶりの映画に今回声優として参加されました。しかも初挑戦!オファーが来た時の率直な感想を聞かせてください。

中川:声優をやらせていただくことにも驚きましたけど、しかもその作品が『あの、ちびまる子ちゃん!?』と思いました(笑)。“あの”も“この”もないんですけど(笑)、僕も物心ついた時から日曜日の夜は「まるちゃん」を見て育ってきたので、なんか…考えたこともないお話をいただいたのですごくビックリしました。『自分がちびまる子ちゃんに出るなんて(笑)』という純粋な驚きと、その分プレッシャーも感じました。でも、楽しみな気持ちも大きかったです。

――初めての声優で、日本人ではなくイタリア人の少年アンドレア役を…(笑)。

中川:そうなんですよ!ハードル高かったです。イタリア人の役もやったことがないし、この歳で小学校5年生の役ですから(笑)。でも(まる子の声担当の)TARAKOさんをはじめ、みなさんはもうずっと小学校3年生を25年間生きてきてるんですよね。本当にすごいと思います。

――よく声優に挑戦されたことのある俳優さんは録音ブースに1人で入って1人で収録したというお話を聞くのですが、中川さんはどのような感じで収録されたのですか?

中川:僕が担当したアンドレアはさくら家やクラスメートと一緒にいることが多い役だったので、レギュラーメンバーのみなさんと一緒に同じ日に録らせていただきました。

――実際に演じられてみて、いかがでしたか?

中川:正直言うとすごく大変でしたね(笑)。いつもと全然勝手が違うというか、芝居の現場とはまったく環境が違うし、本当に右も左も何もわからない状態でした。そんな僕の目の前でレギュラーメンバーのみなさんは25年間同じスタジオで録り続け、いつものことのようにやられていて、そんな姿を見てすごく不安だったし緊張もしていたんですけど、みなさんすごく温かくて、優しく迎え入れてくださったんです。



――とても良い雰囲気の現場だったんですね。

中川:アットホームな現場ですごく楽しくて…変に力を入れずにやらせてもらえたことがすごくありがたかったです。耳馴染みのあるキャラクターたちの声を聴いて、同じ世界に僕が立ってアフレコをしているということが感動したし、こんな経験本当に一生ものだなって思いました。あとはプロのみなさんの職人技を目の当たりにして、すごく勉強にもなりました。

――そんな声のプロが集まる中で、中川さんのアンドレアも普段の中川さんの声とは違って、意識的に変えて挑まれているのが伝わってきました。

中川:はい、アンドレアはいつもの自分の声より少し高めにしています。やっぱり小学校5年生にならないといけないので、そこはいつもの声より意識しました。あとアンドレアのキャラクターがすごく純粋でピュアな優しい男の子なので、そこの声には優しさだったり素朴な純粋さを出せたらいいなと思ったんです。

――難しかったところなどはありましたか?

中川:声だけでキャラクターを表わすというのはすごく難しかったです。アニメーションに声を合わせるタイミングも難しいんですけど、それ以上にアニメーションの世界観に感情をどれだけ同調させられるか、一体化できるかというのが難しかったです。あとは本当に技術的なこと…マイクとの向かい方一つにしても、台本のめくり方も技術がいるんです。ノイズが入ったりとかするのでそういう声優という仕事にとって本当に基本的なところなんかも難しかったし勉強になりました。


『新しい「ちびまる子ちゃん」の世界観だなと思いました』


――映画のストーリーでは、「ちびまる子ちゃん」らしいシュールな面白さも健在しつつ、今作では世界各国の友達が登場するグローバルなお話になっていますよね。



中川:新鮮なというか…新しい「ちびまる子ちゃん」の世界観だなと思いました。さくら家をはじめクラスメートのみんなもいつも通りワイワイ、てんやわんやな感じはもちろんあるんですけど、そこに新しい外国のお友達が6人やってきて、それぞれ友情だったりいろんなものが生まれてくるんですよね。

――まる子とアンドレアの可愛らしくも切ない物語にもなっていますが、中川さんはどんな印象を持ちましたか?

中川:アンドレアとまるちゃんのちょっと甘酸っぱいような、可愛らしいキュンキュンできるようなテイストもあって。なんか本当に「“泣ける”まる子」って感じです(笑)。涙なくしては観れない映画じゃないかなって思います。本当にすごくほっこりするし、台本読んだだけでもちょっとウルッときちゃうんです。

――私も台本を読ませていただきましたが、大人もホロッとくる、老若男女楽しめる作品ですよね。

中川:心がキレイになりますよね(笑)。

――ちなみに、中川さん自身は淡い初恋の思い出は覚えていますか?

中川:初恋は…僕は保育園の時に…。3歳とか4歳とかの初恋といえるのかわからないくらいの時に同じ保育園の女の子で「なんか好きだったなぁ」って思っていた記憶があります(笑)。


『まる子とおじいちゃんの関係は、僕も被る部分があるなぁって(笑)』


――「ちびまる子ちゃん」といえば、まる子とおじいちゃんのコンビも面白さのひとつですが、中川さんはおじいちゃんとの思い出はありますか?



中川:父と母両方のおじいちゃんが今もいますけど片方のおじいちゃんは…昔僕が3歳からずっとダンスをやっていて、学校が終わって急いでレッスンに向かわないといけない時に、車で学校まで迎えに来てくれて駅まで送り届けてくれてました。あとゴルフがすごい好きで、小学生の時に僕にクラブを買ってくれて一緒に打ちっぱなしに行っていましたね。

――まる子とおじいちゃんみたいな関係ですね。

中川:そうですね、仲良かったです。もう一人のおじいちゃんは、写真とかビデオとかを撮るのがすごい好きで、おじいちゃんちに遊びに行くとずーっとビデオを回してるような人(笑)。お正月とかに泊まりに行ったりすると写真をいっぱい撮ってくれて後日送られてくる…みたいなおじいちゃんです(笑)。僕もカメラが好きで写真も好きなんですけど、もしかしたらそのキッカケはおじいちゃんかもしれないですね。おじいちゃんのカメラを借りて、よくちっちゃい時に友達とか家族を撮ってたなぁ。

――なんだか劇中にも似たようなシチュエーションがあったような、なかったような…(笑)。

中川:(笑)。僕もかぶる部分があるなぁって思いました(笑)。


『自分だと気付かれないぐらい役に染まっていきたい』


――俳優としてのお話になりますが、2015年は映画『青鬼ver.2.0』『通学電車 通学途中』、ドラマ『監獄学園プリズンスクール』や『南くんの恋人〜my little lover』、そして2016年は大河ドラマ『真田丸』と大活躍です。中川さん自身は今後どんな俳優を目指していきたいですか?



中川:役者としては色がつかないほうがいいと思っているので、そういう意味では幅のあるいろんな役に挑戦させてもらえているというのがすごく自分としては大きいですし、これからも振り幅は振りに振っていきたいなと思っています(笑)。

――じゃあ、今いろんな役を演じることができて面白いんじゃないですか?本当にかなり振り幅の広いキャラクターばかりです。

中川:そうですよね、だって…「(監獄学園)プリズンスクール」やってる人間が「ちびまる子ちゃん」もやってますからね(笑)。でも、観てくださる方が気付かないくらいその役どころに染まっていけたらいいなあっていう思いがあります。どんどんどんどん新しいことはやり続けたいなって思いますね。


『釣りが好きで、仕事の合間にも釣り堀に行っています』


――では最後にPeachyとはごきげん、ハッピーという意味なのですが、プライベートでPeachyな物を教えてください。



中川:僕、趣味が多いんです。釣りが好きで結構仕事の空き時間とかにもちょろっと釣り堀に行ったりしています。休みの日にも行ったりもするし。すごくリフレッシュになるので釣りは楽しいです。あとは写真も好きです。カメラ持って現場とかで共演者を撮ったりスタッフさんを撮ったりしてる時がハッピーですね。基本的に時間があれば趣味に費やしたいって感じですね。


『ちびまる子ちゃん イタリアから来た少年』は12月23日(土)ロードショー。
公式サイト:http://chibimaru-movie.com/

撮影:平岩享
取材・文:木村友美
制作・編集:iD inc.