12月24日(木)の夜、実力派声優3人と元ハロプロアイドルによる一夜限りの朗読劇「年年歳歳」が「座・高円寺2」で上演される。
主人公の中学生みずき役は、ハロプロの人気グループ「Juice=Juice」の元メンバー大塚愛菜。みずきに冷たく当たる母親のかえでを、「Yes!プリキュア5」のキュアドリーム(夢原のぞみ)をはじめ幅広いキャラクターを演じてきた三瓶由布子。娘のみずきと仲の良い優しい父親を、「Charlotte」の高城丈士朗など印象的なキャラクターを数多く演じている水島大宙。そして、そんな3人が暮らす家に引っ越して来て、家族の驚くべき現実を知ることになる従姉妹のあおいを、『たまゆら〜卒業写真〜』の桜田麻音役などで人気の儀武ゆう子が演じる。
初顔合わせとなった初日稽古の後、出演者の4人に、クリスマスイブの公演に向けての思いなどを聞いた。


──皆さんは今日初めて顔を揃えたということですが、どういった経緯でこの4人での朗読劇をすることになったのですか?
儀武 最初のところは、プロデューサーの冨江(洋平)さんから話してもらった方が良いのかな?
冨江 そうですね。僕は去年から舞台と映画のプロデュースを何本かしているんですけど。次は朗読劇をやりたい。それも実力のある声優さんたちの朗読劇をやりたい…というか、自分が観たいと思ったんです。それもクリスマスイブの公演にするのも決めていました。そこで、以前から映画で何度かご一緒したことがあって、映画「1リットルの涙」の脚本も書かれた田中貴大さんと相談して、クリスマスに合うハートフルなお話として、この「年年歳歳」をやることになったんです。最初、主人公のみずき役には子役を使おうと思っていたのですが、前の舞台でご一緒した大塚さんが見た目も声質もみずきにぴったりだと思って、お願いすることにしました。
大塚 それは、初めて聞きました!
冨江 ただ、声優さんの朗読劇をやりたいとは思ったものの、僕は声優業界には疎いもので……。以前からの知り合いだった儀武さんにまず声をかけて、「他にも、どなたか良い人いらっしゃいませんか?」とご相談したんです。
儀武 私は友達を呼んだだけです(笑)。
三瓶 呼ばれましたー。
儀武 まず三瓶ちゃんに声をかけて。「大宙さんにもお願いできないかな?」と相談したら、「大丈夫じゃない? 聞いてみる〜」と言ってくれて。
水島 三瓶さんから企画の内容を聞いた僕がすぐに食いついたと。
三瓶 釣れました(笑)。
──水島さんは、企画のどのようなところに魅力を感じたのですか? 朗読劇に興味が?
水島 朗読劇にも興味はありましたけど……。僕が食いついたのは朗読劇の部分にでは無いんですよね……。
儀武 その話もしちゃう?
水島 まあ、僕個人としては全然オープンにしてるんですけどね。
大塚 私も大丈夫ですよ!
──あ! 水島さんがハロプロの大ファンという話は聞いたことあるのですが……。
水島 はい。大塚愛菜ちゃんが出ると聞いたので「やる!」と言ったんです(笑)。


誰しも経験していたり、これから経験する物語


──この「年年歳歳」とは、どんな物語なのか、どなたか代表してネタバレにならない程度に教えていただけますか?
三瓶&大塚 お父さん!
水島 ええ〜僕? どこまで話して良いのか難しいんですけど……。大きな出来事をきっかけに、家族の絆や親子の絆が傷ついたり強くなったりすることってあると思うのですが。それが大きなテーマになっている作品で、特に親子の絆がテーマになっています。お父さん役としての感想を言えば、この話は「花」もテーマになっているんですけど。花を通して、お父さんと娘がすごく仲良しなんですよ。そこは、いろんな意味ですごく嬉しいし、楽しみなところではあります。
一同 あはは。
儀武 私は、この物語って、家族だからこそ成立するお話だなと思いました。近くて、ある意味では絶対に裏切らない関係の家族だからこそ生まれる違和感を描いているんです。だから、私たちも、観てくださる皆さんも、誰しもが経験していたり、これから経験する瞬間があるような話じゃないかなと思います。
三瓶 私にも子供がいるのですが、成長していったら、自分がこういう母親になるのかなとか、自分と重ねたりもしました。描かれているのは、特殊な状況ではあるんですけど、ある家族の1ページではあって。それが起きたときにどう向き合っていくのか、逃げるのか。いろんな立場でのその人の生々しい感情が見えるので、人間ドラマとして面白かったです。
──三瓶さんが主人公のみずきのお母さん(かえで)の役で、儀武さんがみずきの従姉妹(あおい)の役という配役は最初から決まっていたのですか?
儀武 いえ、決まってはなかったんです。だから、何でもできる三瓶ちゃんと一緒にできたら素敵だと思って誘いました。
三瓶 ありがとうございます。それで、いろいろな理由もあって、私がかえでをすることになりました。
儀武 あと、三瓶ちゃんとは『たまごっち』や『マジンボーン』とかの子供番組で一緒にやらせてもらうことが多いんですけど。実は今まで芝居の中で、デフォルメ無しの人間同士で会話したことが無いんです(笑)。
三瓶 そういえば、そうだね!
水島 なるほどねー。
儀武 『たまごっち』では私はゴリゴリの妹キャラで、三瓶ちゃんは1人称が「ミー」だし。
三瓶 エセ外国人のキャラなんですよ。
儀武 『マジンボーン』のときは三瓶ちゃん、外国から来た天才少年でしょ?
三瓶 うん。アメリカ人。
儀武 私は犬ですから。
大塚 あはは(笑)。
儀武 人間同士として生の会話をしたことが1回もないので。それをやってみたい気持ちもあって誘ったんです。私がやるあおいは、みずきの従姉妹で15歳の女の子。ガンガン周りを引っ張っていくタイプです。あと、思った事をすごいズバズバ言う子ですね。(17歳の)愛菜ちゃんがみずき役で、実年齢とそんなに離れてないじゃないですか。生の会話をするのが朗読劇の醍醐味ではあるんですけど、自分の半分も生きてない子を演じて、ほぼ実年齢の愛菜ちゃんと本当に上手く会話を成立させられるのかは今回の課題です。だって私、リハーサルにリンゴをむいて来ちゃうんですよ? これ、15歳のやることじゃないですよね(笑)。
水島 いやいや、これがあおいのやることだって。
儀武 本当に?
水島 この記事を読んでいただいた後、本番も観ていただければ分かるんですけど、あおいはリンゴをむいてくるような子なんです!
儀武 え? 言い切って大丈夫かな?
水島 大丈夫! そういう気づかいのできる子なんです!
儀武 えっと……まあ、できるだけ年齢感が乗らないように自分の中で彼女との共通点を見つけていきたいですが、そこはまだ要調整です(笑)。


私がお客さんとして来てたら、最後は大号泣する


──母親のかえでは、娘に辛く当たっているという設定ですね。
三瓶 そうなんです。ただ、人間として、かえでの気持ちが分からなくはないんですよ。あ、私は子供に冷たくしたことはないですよ(笑)。でも、母のかえでも1人の人間として思っていることがたくさんあって。そこは共感できる部分かなと思います。ストーリーの最後には、その行動の理由もひも解かれると思いますので、お楽しみにしていてください。
水島 僕の演じる修一は年令的には自分に近いのですが、いかんせん僕は結婚をしたことがないし、子供もいない。実際には自分がまだ背負ったことのないものを背負わなくてはこの役には入っていけないので、そこが課題です。だから、このメンバーでいるときには、芝居をしていなくても、親子や夫婦のような雰囲気ができればなと思っています。そうなれば芝居も変わるので。
大塚 みずきは、しっかり周りが見えているけど、表にはあんまり感情を出さないというか、空気を読んじゃう子なんです。それに、学校ではあまり目立たないキャラなんですけど、お母さんの前ではちょっと強がっちゃう。そんな子です。
──大塚さんは台本を読んで、どんな感想を持ちましたか?
大塚 私がお客さんとして来てたら、最後は大号泣するなと思いました。
儀武 号泣させるって、約束しちゃった(笑)。
大塚 あ……でも、ハードルを上げておいた方が燃えるじゃ無いですか!
三瓶 すごいね〜。
儀武 負けず嫌いなんだね。さすが、あれだけの人数のアイドルの中で戦ってきただけはある。私たちは、できるだけハードルを上げないようにしちゃうよね。上げ過ぎたら後で苦しくなるから。
大塚 大丈夫です、やりましょう!
水島 見てください、これがアイドルの強さですよ!
儀武 よし、若い子がこう言ってるんだから、私たちもやろう。
三瓶  やろうやろう。
大塚 あはは(笑)。
──気合と結束も高まってきたところで、最後に意気込みをお願いします。
大塚 この4人でしかできない朗読劇を作りあげて、観に来てくださった方を絶対に後悔させたくないと思っています。4人の関係性って、やっぱり舞台の上からでも皆さんに伝わると思うので。クリスマスイブまでにさらに仲良くなって、人気声優の先輩方から、たくさんのことを吸収したいです。
儀武 家族のハートフルな朗読劇で、皆さんにしっとりしたクリスマスをお届けするものだと思っていたんですけど。今日4人で集まってみたら、みんなすごい熱血で(笑)。こんなに情熱を持ったメンバーと一緒にやれることに、すごくワクワクしています。みんなと良い物を作っていくので、ぜひ1回しかない私たちの集大成を観に来てください。頑張ります!
三瓶 クリスマスイブという大切な日ですから、みなさんと一緒に素敵な時間、空間を作れるように頑張ります。ぜひその素敵な空気を感じに来てください。それに、最後は泣かせると娘が言っておりますので。
大塚 ええ〜!
三瓶 皆さん楽しみにしていてください(笑)。最近、泣いてないなという大人の方も、ぜひ遊びに来て欲しいです。
水島 今回、僕は唯一の男性出演者ですし、最年長でもあるので、そういうところからも皆さんの力になって、この座組が良い形で本番を迎えられるようにしたいなと思っています。それに、娘が泣かせると言ってますので……。
大塚 なんですか! またハードルが(笑)。
三瓶 あはは。
儀武 さらに上げた。
水島 いやいや、そうじゃなくてね。娘が泣かせるためには、僕もちゃんと良いお父さんとして存在しなくてはいけないでしょ? だから、観に来てくださった皆さんが「大塚愛菜に泣かされた!」という感想を持ってくれるように、僕は頑張ります。
大塚 あ、なるほど。
水島 これが僕の今年最大の目標です!
儀武 大宙さんの今年の目標がやっとできた!
三瓶 12月に入って。
水島 このために、今までの11か月間があったね(笑)。
儀武 皆さん、魅せますよ〜。ウチの大宙さんが!
水島 それに僕は親子の話が大好きなんです。特に良い関係の父と娘の話が大好きなので、それがすごく嬉しいです。
三瓶 母もいるよ!
水島 (無反応)なので、ぜひ皆さんに観に来ていただいて。
儀武 従姉妹もいるよ!
水島 (無反応)素敵なクリスマスになると良いなと思います。
一同 よろしくお願いします!
(丸本大輔)