原因不明の発熱が3か月以上も続く…。若き声優の命を奪った難病「慢性活動性EBウイルス感染症」とは

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10月27日に38歳という若さで亡くなった人気声優の松来未祐さんの患った病気が、今月15日にスタッフが更新したブログにより発表されました。病気は「慢性活動性EBウイルス感染症」であり、最終的な死因は「悪性リンパ腫」だったと言います。ブログには、「慢性活動性EBウイルスという非常に奨励が少なく、難病指定もされていない難しい病気」とつづられています。

「慢性活動性EBウイルス感染症」とは


慢性活動性EBウイルス感染症研究会が行った全国調査によると、2005年から2009年までに報告された慢性活動性EBウイルス感染症の患者数は1年あたり平均して23.8人の非常に珍しい難病です。20歳以下の患者数がもっとも多いですが、30歳以上の患者の報告も増えています。

何か月にもわたり発熱が続き、リンパ節や肝臓が腫れたり、肺炎や下痢をしたりする頻度が高くなります。病態の詳細は解明されていませんが、なんらかの遺伝的背景をもっていることが疑われています。合併症は死に至るものが多く、心筋炎や肝硬変などがあります。さらに悪性リンパ腫や横紋筋腫瘍などの悪性腫瘍を合併することも多い病気です。

見逃してはいけない注意すべき症状とは


慢性活動性EBウイルス感染症は非常に珍しい病気のため、診断は簡単ではありません。3段階にわたる特別な検査が必要となります。平成25年に厚生労働省の難治性疾病等克服研究事業が発表している症状には次のものがみられます。

□原因不明の発熱が、3か月以上続く、もしくは繰り返す。
□首のリンパ節がずっと腫れている。
□蚊や虫に刺された後が水膨れになり、全身の発熱を伴う。
□顔や手足の日光が当たる部位に繰り返し水膨れができる。

ひとつでも次の症状が当てはまる場合は、主治医の先生に伝え、EBウイルス抗体検査をしてもらえるように相談してみましょう。

「慢性活動性EBウイルス感染症」の治療法とは


この難病には確率された治療法はありません。そのため、免疫療法や悪性リンパ腫につながる抗がん剤の多剤併用療法などが試されます。一時的には有効ですが、完治には至りません。骨髄移植や末梢血幹細胞移植が唯一、治癒ができる治療法ですが成功率は50〜70%と低い傾向があります。数年の間に患者のうち約半数が亡くなる予後の悪い病気です。病状が進行してからの移植ではさらに成功率が低くなるため、早期発見が望ましいです。

多くのファンに惜しまれこの世を去った松来未祐さん。スタッフの更新したブログでは「本人も、いつか手記を出して同じ病気に苦しむ人の支えになりたいと考えていました。今回の公表を機に、より多くの方に慢性活動性EBウイルス感染症という病気を知っていただき、早期発見と治療法の進展につながることを願っております」と記しています。

監修:岡本良平(医師)