子育ての不安は「近居」で解消? 親世代・子世代のホンネとは

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安定した収入を確保するため、子育てをしながらの共働きをするのは当たり前となっている現代。子どもと過ごす時間は十分か、安心して利用できる保育サービスの確保など、さまざまな不安がつきまといます。厚生労働省が発表した最新の「厚生労働白書 平成27年度版」によると、子育てをしていて負担・不安に思うことや悩みがある人は男性の7割弱、女性の8割弱にのぼっています。

安心して子育てするために必要なこととは?


自分は、親となってきちんと子どもを育てられるかといった不安は、いつの時代もあったはずですが、現代の不安事項は親の事情が目立ち、少し違った様相を見せているようです。

「人口減少社会に関する意識調査」(厚生労働省 2015年)によると、『出産・子育てにより前向きになれるために必要なこと(上位5項目)』は、以下のようになっています。

1位:安定した雇用と収入
2位:安心して保育サービスが利用できること
3位:安心できる出産・小児医療の体制確保
4位:仕事と家庭の両立支援、長時間労働などの働き方の見直し
5位:周産期・小児医療費や保育料など経済的負担の軽減

雇用・収入が不安定なため、共働きが必要であり、そのため今まで以上に保育・医療の充実が必要となっている、という図式です。もちろん、共働きは「必要にせまられて」というだけではありませんが、終身雇用の時代はいまや昔…、夫の収入だけに頼るのは不安、という家庭は多いのが実情です。

精神的にも助けになる「近居」による親のサポート


先日、自民・公明の両党で承認された2016年度の税制改正大綱には、自宅を「3世代同居」に対応できるように改修した場合、その費用を所得税額から控除できるという、新しい減税策が盛り込まれ、注目を集めました。これは子育て支援の一環としておこなわれる制度だそうです。

実際、祖父母が孫の世話を手伝ってくれれば親は安心して働けて、精神的な負担も軽減すると考えられますが、そのために必要なことが必ずしも「同居」なのかどうかは疑わしいところです。

新築・中古専門サイトを展開する「オウチーノ」が行った『子育て・孫育てに関する調査』によると、「祖父母との同居は孫にとって良いことだと思う」と答えたのは、親世代・祖父母世代ともに70%を超えたものの、実際に同居を選んでいるのは20%程度。理想は、『近居』(簡単に行ける距離)が約半数でもっとも多い結果となりました。

近居を望む理由としては、それぞれの世代で以下のようになりました(回答の多い順)。

<親世代>
「子育てを助けてもらえるから」
「同居は気を遣うから」
「適度な距離感が良いから」

<祖父母世代>
「いつでも会えるから」
「同居は気を遣うから」
「自分の生活スタイルを守りたいから」

同居で得られるメリットはたくさんありますが、核家族化が浸透した現代では、互いに気疲れするぐらいならしないほうがいい。それよりもそれぞれの暮らし方を尊重しつつ、適度な距離感を保って「助け合う」といったスタイルが望まれているようですね。

同居にしても近居にしても、子どもにとっては、たくさんの家族に見守られて育つこととなります。祖父母から昔の知恵や経験を教わったり、高齢者を身近に感じることで労わりの心が育まれる、といった子どもの人格形成の面での効果も期待されているようです。

■オウチーノ 子育て・孫育てに関する調査概要

有効回答:(親世代)20〜39歳の女性276 名/(祖父母世代)50歳以上の女性278名

調査方法:インターネットによるアンケート調査

調査機関:2013年4月12日(金)〜4月13日(土)

<調査出典>
http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/kousei/15-1/dl/gaiyou.pdf
(厚生労働白書 平成27年度版 概要)
http://corporate.o-uccino.jp/wordpress2/wp-content/uploads/2013/06/pr20130423_komago.pdf#search='近居+望む+子育て'
(株式会社オウチーノ 子育て・孫育てに関する調査)