現在開催されているクラブワールドカップを見て、僕は少し焦りを感じています。

大会は盛り上がっているように見えます。2012年以来の日本でのクラブワールドカップ開催ということだけではなく、広島がオークランド・シティとマゼンベを破り、リーベルプレートと戦えることになったという要因が大きいでしょう。開催国枠で出場したチームの広島が勝ち上がっていくと、「Jリーグのレベルは落ちていない」と思えます。

ただ、そこに僕は落とし穴があると思うのです。

G大阪がACLで優勝した2008年以来、日本のチームはACLの決勝戦にすら進んでいません。もしかすると、日本のサッカーファンは日本勢が敗退した後のACLには興味を持っていないのではないかと思っています。そして日本勢が出ないと、クラブワールドカップへの興味も薄くなるのではないかと感じています。

一方で中国はサッカーに多大の投資が行われ、ACLのタイトル獲得に熱心です。今年のチャンピオンも広州恒大でした。

さらに、2014年のクラブワールドカップを最後に、33年間サポートしてきたトヨタが大会から手を引き、今年から中国のアリババE・オート社がメインスポンサーになっています。今後、中国国内での大会への関心度は高まっていくでしょう。

今後はこのクラブワールドカップが中国で開催されることになるのではないでしょうか。そしてそのままの流れでワールドカップが中国で開催されるとともに、中国がアジアのサッカーをリードする日が来てしまうのではないか。そう思えてならないのです。

広島の活躍は素晴らしいのですが、あくまで開催国枠ということを忘れず、今後は本気でACLを狙いに行かなければならないはずです。そしてアジアのレベルを見極めるとともに、クラブワールドカップという真剣勝負の場で世界の強豪との違いを知らなければなりません。その点で、中国が一歩先を行っている

今回の大会で、広島がアジアのチャンピオンとして出場していたら、どれくらいよかったことか……。そうでなかったことで、ちょっと悔しい気持になりますし、この大会が終わった後に「ああ、おもしろかった」とだけで済ませてはならない問題を含んでいると僕は思っています。