ディズニー、俳優の演技をブレンド編集する FaceDirector を開発。完璧なテイクをポストプロセッシングで合成

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ディズニー傘下の研究組織 Disney Research が、演技の複数テイクを後から自在にブレンド合成する技術を開発しました。

同じセリフを悲しそうに演じたテイク、憤りながら演じたテイクを撮っておけば、ポストプロダクション段階で「最初は悲しげに、途中からだんだんと怒りを露わに」などを自然な1シーンとして生成できます。と説明しても何を言っているのか分かりづらいのでぜひ続きのデモ動画をごらんください。


演技の別テイクを時間的に同期させ、顔や体の向きも補正して、指定の割合で自然にブレンドしたり切り替えます。

編集されたインタビュー映像などでは、切り貼りした部分で違和感を覚えることが良くありますが、この FaceDirector では悲しみテイクと無表情テイク半々で合成して、なめらかに悲しみの割合を増やすといったことをポスト・プロダクション時のソフトウェアで処理できる点が特徴です。

Disney Research では、納得のゆくテイクを撮るために数十回や100回以上撮り直しを要求する監督もいるなかで、FaceDirector の技術を使えば良いとこ取りで後から演技を編集できるため、撮り直しの予算がままならないインディーズ映画などでは特に威力を発揮するとしています。

デジタル技術と演出といえば、CGで役者を再現するデジタル・ダブルもさまざまな議論を呼びました。FaceDirector は役者の魂ともいえるセリフ回しや表情の部分で、ある意味「自分ではしていない演技」を作られる点で、拒絶反応を示す俳優も多いかもしれません。一方で、最終的には監督の意図を表現するための素材であるという考え方、あるいは「100回リテイク喰らうより5パターンくらいで後は任せたほうが楽」という場合もありそうです。

論文は " FaceDirector: Continuous Control of Facial Performance in Video " 。著書は Disney Research Zurichの Jean-Charles Bazin 、 University of SurreyのAdrian Hiltonら。