朝ドラ「あさが来た」(NHK 月〜土 朝8時〜)12月12日(土)放送。第11週「九転び十起き」第66話より。原案:古川智映子 脚本:大森美香 演出:尾崎裕和


66話はこんな話


落盤事故に巻き込まれた治郎作(山崎銀之丞)は無事で、一堂は胸をなで下ろす。これは事故ではなく事件だと五代(ディーン・フジオカ)は主張するが、あさは犯人探しではなく、炭坑の復旧だと言う。
やがて、大阪から雁助(山内圭哉)が派遣されてきて、サトシ(長塚圭史)に声をかける。

演劇好きにはたまらん


「さ、昔話でもしましょか」(雁助)。
ぞくぞくするなあ!
とにかく目つきの悪いサトシを演じている長塚圭史と、彼が作、演出する舞台によく出演している山内圭哉が絡むとは。
アクのない優秀な大番頭を演じていた山内が、長塚を前にすると、がぜん、ワケあり感を漂わせ、ふたりの間の空気が小さく波打って見える。

余談も余談だが、現在、長塚はPARCO劇場で作、演出を手がけた「ツインズ」を12月30日まで上演中。
出演者が、「あまちゃん」の古田新太、「花子とアン」の吉田鋼太郎、「まれ」のりょう、葉山奨之、「つばさ」の多部未華子と、謎の朝ドラ祭り。

雁助がやってきて、大阪に戻れると喜ぶ亀助役の三宅弘城も舞台公演中。下北沢本多劇場にて、ナイロン100℃公演の「消失」に12月27日まで出演している。
どちらの作品も、ディープで、テレビドラマでは描けそうにない内容だ。朝ドラとは違った俳優たちの芝居も、機会があったら見てほしい。殊に、「ツインズ」の古田新太VS 吉田鋼太郎の怪優対決は相当やばい。

また、舞台出演中ではないが、生きててよかった治郎作役の山崎銀之丞も、不死身の男感をさらっと余裕で出していた。

お乳が出ない


これまで、何があっても、暢気にくぐり抜けてきたあさだったが、今回の炭鉱事故はかなりの打撃。
千代を置いて出かけて、帰ってきたら、お乳が出なくなっていたというシーンがずしりと思い。
その時のよの(風吹ジュン)の対応は、すっかりいい姑だ。
当然、あさの新次郎も、大事な妻を元気づける。「七転び八起き」という言葉を出して。でも、あさはそれどころか「九転び十起き」すると張り切る。

今日の、気になる


正吉(近藤正臣)が、雁助に九州へ行くように言ったとき、雁助の顔に横線の影が入っている。簾越しに西日が差し込んでいるだけだが、漫画でよくある「ガーン!」ってなった時、顔に縦線が入る効果のように見えて、雁助が「ガーン!」ってなったように思えてしまった。炭坑の仕事、好きじゃないとずっと言っていたし、うめ(友近)のことも気になるだろうし、可哀想に。
(木俣冬)

木俣冬の日刊「あさが来た」レビューまとめ読みはこちらから