Q:1年前から、脂っこいものがあまり食べられなくなりました。ストレスがたまると脂っこいものが欲しくなりますが、食べると胸焼けや下痢になります。検診では特に悪いところは指摘されていません。食欲もありますが、健康ではないのでしょうか?(56歳・OA器機販売会社勤務)

 A:脂っこいものを食べて胸焼けすること自体、珍しいことではありません。胸焼けは胃酸が逆流することで起こりますが、胆汁酸が逆流して起こる場合もあります。
 また、脂っこいものを食べると、脂肪を吸収するために胆汁酸がたくさん分泌されます。下痢をするのは、脂肪に緩下作用があるからです。
 脂っこいものが食べられなくなる理由は、消化機能が低下したり、消化酵素が減少したりするからです。胃腸だけでなく、肝臓や膵臓の機能も低下しているのでしょう。
 そういう前提がありますが、年をとって脂っこいものが食べられるかどうかは、個人差にもよります。

●若い頃の食事の癖
 一般的に年をとるとともに、内臓の機能は低下します。だいたい35〜36歳ごろから、内臓機能が衰えるので、脂っこいものが食べられなくなったからといって、健康でないということではありません。
 ご質問の方の場合、体が受け付けないのに、無理に脂っこいものを食べることに問題があるようです。
 食に関しては、何歳になっても若い頃の癖が抜けきらないものです。しかし、前述したように、胃腸の機能は衰えるものなので、無理に脂っこいものを食べる必要はありません。
 ただ、体の機能が衰えたことにこだわるのは、賢明なことではありません。ストレスにさらされて脂っこいものが食べたくなるのは、若い頃の癖が抜けていないからです。食欲はあるとのことですから、悲観的に捉えないほうが良いと思います。
 脂っこいものを食べて胸焼けがするとき、服用するとよい漢方薬に平胃散があります。平胃散には、脂肪を溶かす作用があり、脂質異常症に用います。

岡田研吉氏(研医会診療所漢方科医師)
東邦大学医学部卒。ドイツ留学中に東洋医学に関心を持ち、帰国後、国立東静病院で漢方を学ぶ。独自の漢方処方で生活習慣病等に成果を上げている。著書『さらさら血液が長生きの秘訣』など多数。2015年12月3日木曜日