今こそ知りたい! 真田幸村50の謎

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来年(2016年)のNHKドラマは戦国武将、真田幸村の生涯をたどる『真田丸』だ。大坂の陣で徳川家康を窮地に追い込むなど大活躍し、英雄としてこれまでも講談や小説、映画やドラマで取り上げられてきた。今回は脚本・三谷幸喜さん、幸村を演じるのは堺雅人さん。来月から始まるが、幸村とはどんな人物だったのか。時代背景や人間関係もよくわかる楽しい3冊を紹介したい

J-CASTニュースの書籍サイト「BOOKウォッチ」でも特集記事を公開中。

幸村が築いた「真田丸」とは何か

つい先日、「『犬伏の別れ』から415年 真田家の子孫が対談」という記事が新聞に載っていた。1600年、関ケ原の戦いを前にして真田幸村と父の昌幸、兄の信之の3人が下野国(栃木県)の犬伏で密談した結果、幸村と父は石田三成の西軍に、信之は徳川家康の東軍へと袂を分かった。対談したのは幸村と信之の子孫。先代の交流は不明だが、初めて会った2人は感極まった様子だったという。

『今こそ知りたい! 真田幸村50の謎』(編・歴史読本編集部、1080円、KADOKAWA)は、彼らの先祖である幸村の生涯と一族にまつわる謎を解く。

幸村の祖父や父はどんな人物だったのか。幸村はなぜ2度も人質に出されたのか。初陣はいつだったのか。大坂の陣で築いた「真田丸」という砦とは。「信繁」という名があるのに、なぜ「幸村」と称するのか。子どもたちはどうなったのか―――。NHKの大河ドラマをみるうえで参考になる1冊だ。

「日本一の兵」と称賛された

戦国武将が現在の社長であればどんな生き方をするのだろうか。今の経営者も死ぬか生きるかの戦いを繰り広げている。ビジネス戦争と同じではないが、戦乱の世を生き抜いた武将たちから学ぶべきものは多い。かつて山岡荘八の『徳川家康』は経営者の虎の巻として長くベストセラーとなった。大坂の陣で家康を追い詰め、「日本一(ひのもといち)の兵(つわもの)」と称賛された真田幸村の場合はどうか。

『もしも真田幸村が中小企業の社長だったなら』(著・井上ミノル、1080円、創元社)は、幸村はじめ個性豊かな武将たちや女たちの戦いを現代の百貨店競争になぞらえて描く。豊臣秀吉と家康が東西二大百貨店を経営し、幸村は製靴メーカーという設定だ。笑って学べる歴史コミックである。

著者の井上ミノルさんはイラストレーター&ライター。2013年にコミックエッセイ『もしも紫式部が大企業のOLだったなら』を刊行している。

アッと驚く奇想天外の物語

歴史小説と時代小説には違いがあり、歴史小説は史実を忠実に求められるが、時代小説には架空の人物も登場するしストーリーも自在だ。『真田幸村の遺言(上)(下)』(著・鳥羽亮、各751円、祥伝社)は、読者をアッと驚かせる奇想天外の物語である。

(上)は副題に「奇謀」とあり、内容紹介には「脈々と継がれていた豊臣の血筋をつい紀州徳川家に入れることに成功した! その名は頼方。後の吉宗である。幸村の思いを胸に秘め、真田の暗闘が始まる」とうたう。目次を見れば「吉宗誕生」「真田戦士」「出府」「御成」「怪死」と展開する。(下)の副題は「覇の刺客」で「六代将軍の急を知らせる報に吉宗が動いた。江戸城で、亡き真田幸村が描いた、最後の天下分け目の戦いが始まる」と呼び掛け、目次は「風雲」「真田十七家」「尾張の乱」「絵島事件」「江戸城夏の陣」と続く。

著者の鳥羽亮氏は1990年『剣の道殺人事件』で江戸川乱歩賞を受賞。ミステリ―の一方で剣豪小説にも取り組む。学生時代に剣道に打ち込み、その経験が作品にも影響しているといわれる。