イエメン戦にスタメン出場した鎌田は、数少ない決定的なチャンスを作り出した。(C) J.LEAGUE PHOTOS

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 まるでデジャヴを見ているようだった。
 
 12月10日にドーハで行なわれたU-22イエメン代表戦はここ数か月、U-22日本代表が京都サンガや福岡大、湘南ベルマーレとの練習試合で見せてきた内容とよく似ていた。
 
 派手に崩されることはないが、攻撃面ではチームとして何かを見せられたわけではない。10月にサガン鳥栖を相手に7ゴールを奪ったのが幻に思えてしまうほど、最後の局面を攻略しきれないことが多く、決め手を欠いたゲームだった。
 
 もっとも、そうなるのは、ある意味仕方のない面もあった。
 
 選手たちに「最終予選のメンバーに選ばれたい」という思いが強いうえに、国際親善試合と銘打たれてはいたものの、これまでの練習試合と同様、選手交代に制限はなし。日本は11人全員を交代させ、初の組み合わせもいくつか試すなど、練習試合の趣が強かったからだ。
 
 とりわけスタメンはディフェンスラインこそお馴染みの顔ぶれだったが、中盤から前はほとんど試されたことのない組み合わせだった。その狙いを手倉森誠監督が明かす。
 
「(スタメンは)チャンスを与えたい思いがあるなかでの人選だった。外国人相手に何ができるのか観察したかったし、球際、ボールの動かし方、対人でどうなっていくのかと」
 
 岩波拓也と奈良竜樹が中央で仕切ったディフェンスラインがハーフウェイライン付近まで押し上げ、彼らとボランチの原川力、秋野央樹がテンポよくボールを回す。2トップの荒野拓馬が裏を狙えば、鎌田大地は中盤に下がるなど、ギャップを作って攻略しようとしたが、前半で決定的なチャンスとなったのは鎌田が放った2本のシュートだけだった。
 
 ハーフタイムに選手を一気に7人交代。さらに攻勢に出ようとしたが、チャンピオンシップやJ1昇格プレーオフに出場した影響なのか、10月の佐賀キャンプでは軽快な動きで攻撃をリードした関根貴大と金森健志の動きがどうも重い。前半と変わらず日本が押し込んではいるものの、オナイウ阿道が右足と頭で放ったふたつのシュートシーン以外、決定的なチャンスを作れないまま、ゲームは終了した。指揮官が振り返る。
 
「海外で試合をやって見えたものがあった。チームのやろうとするコンビネーションと個の持ち味をチームのためにどう落とし込むか、もっとやらないといけない。あと、抜け出せそうとしても足が伸びてきて引っかかっていたけれど、それはここに来て外国人と戦って気づけたこと。選手たちも相当悔しそうにしていたね」
 
 この日のキックオフ時間は現地の16時30分。これは最終予選のグループステージの3試合と同じ時間。試合会場もサウジアラビアとの第3戦と同じスタジアム。ねちっこい芝に足を取られる選手も多く、貴重な経験になったのは間違いない。
 
 一方で、90分の中で何ができるのかという見極めは必要ないのか、可能な限りベストに近い組み合わせで連係を磨く必要はないのか、など疑問がないわけではない。
 
 3日後のU-22ウズベキスタン戦は、どのような狙い、どのようなプランで戦うのか注目したい。
 
取材・文:飯尾篤史(サッカーライター)