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セコムは12月10日、自律型小型飛行監視ロボット「セコム ドローン」を発表した。同社のコントロールセンターと連動してドローンによる監視や巡回を行う"世界初"の自律型監視ロボットだという。セキュリティを目的としたドローンが今後普及するかどうか、注目される。

同社は2012年12月に小型飛行監視ロボット開発完了を発表しており、その後GPSなどの技術強化や商品化のステップを経ての提供開始となった。今回の発表は、同日に施行された改正航空法を受けてのもの。すでに東北のある顧客の工場で導入が決まっており、同社の代表取締役社長、伊藤博氏は「同日朝一番で承認を獲得した。他社は来ていなかったのでわれわれが第1号」と笑顔で語った。この顧客に対しては、翌日よりサービスを提供開始するとのこと。

改正航空法では空港近く、人口集中地区の上空、高さ150m以上の空域は制限されるなど、無人航空機の飛行区域が設定された。セコム ドローンは飛行可能区域を飛ぶが、顧客にはそれぞれの規制があり、「日中に飛行」というルールから外れ「自律飛行」となることから、顧客ごとに申請し、国土交通大臣からの承認を受ける必要がある。

執行役員 技術開発本部長兼開発センター長の進藤健輔氏は、同製品を開発に至った背景として、「セコムは安全安心をお客さまに提供しているが、さらなる安全安心を提供するには早期検知、屋外監視の効率化などをさらに改善する必要があると判断した」と説明した。

今回のドローンは自律飛行が可能、顧客の敷地内での侵入に迅速に対応し、同社技術を利用して犯人の特徴をとらえるという。同社のIS研究所と開発センターの技術力、セキュリティサービス・ネットワーク、情報セキュリティ技術、空間情報技術など同社の技術を結集させた。部品調達以外は自社で開発、設計、製造を行ったとのことだ。

本体は、正面にカメラと証明を備え、上部にプロペラとモーターを4基、その上をプロペラガードで保護する。内部にはGPS、高度(測距、気圧)、方位、加速度、6軸ジャイロ、障害物検知などのセンサー技術を備え、映像用と制御用の2種の無線通信を行う。連続飛行時間は10分程度。3Dマップで飛行エリアを把握し、測距センサーにより障害物を回避したり、風速計により飛行可否を判断したりするなど自律飛行に必要な技術を盛り込んだ。

用途は侵入監視、巡回監視の2つ。侵入監視としては、契約先の物件とセコム・コントロールセンターが連動し、各所に取り付けたセコムのレーザーセンサーで侵入がわかるとその情報をセコムのコントロールセンターに通知、コントロールセンターが異常発生を確認して対処指示をかける。同時にコントロールセンターではセコム ドローンに位置情報を通知し、ドローンがドローンポートから自律飛行を開始する。ドローンは侵入物に近づき、写真を撮るなどして特徴を記録する。本体が撮影した映像はセンターに送信される。

巡回監視は、事前に顧客の物件に設置した屋上、玄関、影で見えにくいなどのポイントを定期的に巡回するというもの。侵入監視と同様、撮影した映像はセコム・コントロールセンターに送られ、ライブあるいは記録したものを見ることができる。今後は平常時と比較して違いをコントロールセンターに知らせる機能も搭載予定という。

ドローンそのものの安全性については、待機時、飛行開始時、飛行中と3段階で常時チェックを行う。例えば、待機時は各種センサーの状態、バッテリー残量、モーターや通信状態をチェックし、飛行開始時は気象条件判定を行うという。

価格はレンタルで月額5000円から(税別)で、このほかにドローンポートを含む工事料が別途80万円から必要となる。同社によると年間の販売目標は100台。すでに100件ほどの引き合いがあるという。

(末岡洋子)