[練習試合]「微笑み」の飛び級守護神、U-18代表候補GK大迫敬介が示した下の世代の「可能性」
[12.10 練習試合 U-18日本代表候補 1-2 流通経済大 ゼットエー]

 元気はつらつな声が最後方から飛び続けていた。「GKの声は神の声」という格言を持ち出すまでもなく、守護神が声出しの中心になるのは自然なことではある。ただ、それが初招集で2学年上の選手に混じって出場したGKから発せられていたとなると、少し印象が違ってくる。

「いや、最初は緊張していたんです」。高校1年生のGK大迫敬介(広島ユース)はそう言って笑った。だが、「まず立ち上がり」と意識して入る中で、最初の枠内シュートを胸でしっかりキャッチングしたあたりからプレーに本来の雰囲気が出始める。大声でDFを動かしていく様子もいつも通りだ。「ピッチに入れば、センパイとか関係ないので」と言うとおり。もっとも、ピッチ外では謙虚そのものな振る舞いだったようで、「センパイ」たちの評判も上々だった。

 驚きの初招集を受けて考えていたことは「短い期間なので、とにかくどんどんコミュニケーションを取っていこうと思った。二つ下だけれど、とにかく悔いのないキャンプにするんだと思って、たくさん話しかけました」と言う。ホテルの同部屋はMF佐々木匠(仙台ユース)だったそうだが、「本当に匠さんが優しくて、良くしてもらえました」と微笑む。

 プレーの部分で言えば、枠内シュートがほとんど飛んでこなかったこともあってセービングの見せ場は少なかったが、自信を持っているロングキックでは積極的なトライを継続。「ミスはあったけど、自分の持ち味を出していこうと思っていた」という姿勢を見せ続けた。印象的だったのは利き手の左腕を使ったオーバーハンドスローイングでカウンターの起点になった場面。「この合宿で練習していた形で、あそこでとっさに出せて良かった」と胸を張る。この吸収力の高さとコミュニケーション能力は確かに非凡な資質と言えそうだ。

 内山篤監督は「二つ下でも我々の代の子だと思って見ている」としたうえで、「GKだけでなく選手の競争を膨らませていきたい」とU-16年代からさらに選手を招集する可能性も示唆した。それもまた、大迫が下の年代の「可能性」を合宿を通じて示したからと言えそうだ。

(取材・文 川端暁彦)