「抱枕奇祭2015」の様子

写真拡大

「ヲタ系ライブにおけるサイリウム振り回しが危険」問題を経て、「それなら大きくて柔らかい物を振り回せばいいんじゃね?」という発想で誕生したライブイベント「抱枕奇祭」。

【「抱枕奇祭2015」実録レポート 抱き枕が御神体となった瞬間…!の画像・動画をすべて見る】

その興行4回目となる「抱枕奇祭2015」が、ライブハウス・新宿Antiknockにて12月6日に開催されました。ちなみに、第1回抱き枕ライブの開催場所でもあるAntiknockのオープン30周年を祝う意味でも会場に選ばれたのだそう。

出演は、主催者であるbambooさん率いるロックバンド・milktubのほか、「生贄」という名のゲストとして迎え入れた結成30周年を迎えたパンクバンド・ニューロティカ

エロゲプロデューサーとしても知られ、milktubではアニメやゲームなどに楽曲提供しているbambooさんによるこの奇妙なお祭り。

高速BPMのパンクナンバーに呼応するかのように、参加者たちが抱き枕を振り回し、モッシュし、ダイブする(※抱き枕のみ)……そんな異常な光景が繰り広げられる奇祭に潜入してきました!

文・撮影:松本塩梅

抱枕奇祭が生んだ嫁シェイク! 嫁サイクロン! 嫁ウェーーーブ!


「抱枕奇祭2015」


開催直前、前売り状況をうかがったところ、「嫁or婿(両バンドメンバーの絵柄がプリントされた抱き枕の意)付き」11000円のチケットが70枚、通常の参加チケットも50枚売れているとのこと。開催前の会場には通常のライブイベントでは見られないであろう空気入れが置かれ、参加者たちはいそいそと抱き枕をふくらませていました。

「抱枕奇祭」ならではの空気入れ



なお、常連参加者のツイートによれば、抱き枕のカバーデザインは今回が最も尖っていた模様です。

「抱枕奇祭2015」の抱き枕カバーデザイン






ライブ前にbambooさんが挨拶を述べ、ニューロティカをゲストではなく「生贄」と呼ぶのは、この状況で彼らを笑わせてやろうという思いがあったからだそう。「パンクなイベント……これ、パンクなのか?いやパンクだな!バンバン振り回してください!」と観客を煽ります。

抱き枕を上下に振る「嫁シェイク」、盛り上げてその場で回転させる「嫁サイクロン」、ステージ前方から後方まで順繰りに掲げて下ろす「嫁ウェーブ」と独特のモーション練習も行われ、臨戦態勢が整ったところで、ニューロティカが登場!

嫁が激しく動きすぎて空調のカバーが外れた件


ニューロティカ


ニューロティカは新曲『五十の夜』をはじめ、『お前のROCK'N'ROLL』『絶体絶命のピンチに尻尾を高く上げろ!』『Drinkin’ Boys』など11曲を熱唱。

抱き枕が振り回され、しかもカバーには自分がプリントされているという状況に、ボーカルのイノウエアツシさんは「せっかくカッコつけてんのに、自分の抱き枕がこっちを見てきて、目をそらすとbambooがいるんだよ!」と嘆き、会場からは笑いが。後に、bambooさんもMCで「あっちゃん(※イノウエアツシの愛称)があんなに笑顔で歌っているの初めて見た」とコメントしていました。

ニューロティカの抱き枕



ライブの盛り上がりを象徴するかのようなエピソードとなったのは、演奏中に抱き枕たちが激しくぶち当たったせいか、開始早々に会場前方の頭上にある空調設備のカバーが外れてしまったこと!

抱き枕の衝撃で外れてしまった空調設備のカバー



みんなで抱き枕で抑えよう!



抱き枕でカバーを抑えつつ、「あっちゃん」コールが沸き起こる中で、なぜかイノウエアツシさんがガムテープで空調に応急処置を施す事態に、「31年バンドやってるけど、ライブ中にガムテープ持ってきて直すなんて初めて」。しかし、この一件で会場の連帯感はより高まったように感じました。

イノウエアツシさんが抱き枕のせいで壊れた空調をライブ中に修理



演奏と観客が熱くなるにつれ、抱き枕ごと入り乱れる「嫁モッシュ」や、両手で激しく叩いて震わせる「嫁ドラム」、誰かの抱き枕が頭上を飛び交いまくる「嫁ダイブ」と新技も連発!




「抱枕奇祭2015」



およそ1時間にわたるニューロティカの演奏を終えた後の休憩時間では、「これ誰のですかー?」とダイブで入り乱れた抱き枕をマッチングさせる嫁探しタイムや、空気の補充など、やはりここでしか見られない光景が広がっていました。

「もし今日俺が死んで、この映像が使われたらどうしようかと悩んだ」


milktub



ニューロティカに続いて登場したmilktubは、『甘えん坊将軍』で火蓋を切り、クールダウンしていた会場も即効で再燃焼。

bambooさんの「今夜は抱き枕パーティーだー!」からの『パーティーボーイ☆エブリデー』では嫁モッシュが沸き起こり、ニューロティカの『太陽をさがして』をカバーするなど熱い展開が続きます。その異常な熱気を讃えるかのように「やばい!ドリンク飲まないと喉がやばい!」とbambooさん。

どうやらステージからは、嫁から出たであろうホコリや会場の湿気で白いモヤのようなものがかかり、客席後方が見渡しにくい状況にまでなっていたようです。

bambooさん



bambooさんは「もし今日俺が死んで、この抱枕奇祭の映像が使われたらどうしようって悩んでたよね(笑)。開催も4回目だからそろそろ大丈夫かなと思ったけど、ダメだね! たまに出てくる他社版権物が目に入るとおかしいよ」と笑いますが、「こういうことを全力でやっていけるのが、milktubがアニソンゲーソン業界で生き残っていくために必要ではないかと。この馬鹿騒ぎに来年も全力投球でいきたいと思います!」と、MCでファンとの絆を固め合いました。

奇祭感マシマシ濃い目の「嫁サークルモッシュ」勃発


大盛り上がりの「抱枕奇祭2015」


激しさを増す会場では、6曲目『It's OK〜ピエロのオッちゃん賛歌〜』を終えたところで、「業務連絡!照明のコード抜けました!」と会場から声が! 嫁シェイクや嫁ダイブの当たりどころが悪かったのか、空調設備のカバーに続き、今度は会場半ばほどにある照明の電源コードが抜けてしまう事態に。これには観客が助けあって対処していました。

また、別の機会ではモッシュ中にはしっかり壁を作ったり、撮影班の女性カメラの脚立に抱き枕が当たらないようにガードしていたりなど、たしかに激しい奇祭ながら、観客は「ただの馬鹿騒ぎ」ではなくしっかりとマナーを守った上での騒ぎだったのが好印象でした。

『有頂天人生』から、ラストの『SMILE ENERGY』では、抱き枕を盾のように突き出し、ぐるぐると観客が回り続ける「嫁サークルモッシュ」が勃発。まるで御神体となった抱き枕を捧げながら吠えるその様は、会場に満ちる爆笑と爆音も相まって、奇祭にふさわしい祈祷のようにも感じられたのでした。

「パンクバンドのレジェンドに一泡ふかせてやったぞ!」


「抱枕奇祭2015」でアンコール!


「アンコール!」の声がいつの間にか「抱き枕! 抱き枕!」に変わる中、再度ステージに現れたmilktubとニューロティカ。bambooさんはMCで「俺たちパンクバンドのレジェンドに一泡ふかせてやったぞ!」と観客を讃えると大きな歓声が起きました。

milktubとニューロティカは『悲しきラガー』『ロックバカライフ』をコラボレーション。抱き枕もダイブしまくって盛り上がりつつも、全体でおよそ2時間に渡る今回の奇祭は幕を閉じました。

KAI-YOUさん(@kai_you_ed)が投稿した動画 - 2015 12月 10 4:31午前 PST




終演後の反応やTwitterのコメントを見るに、参加者は大いに楽しんだ様子の抱枕奇祭2015。イベント中に「抱枕奇祭の光景は4回見ても面白い」とbambooさんは語り、会場からも「またやろう!」の声が上がっていたので、次回の開催も期待できるかもしれません。

無事に終幕を迎えた「抱枕奇祭2015」



また、milktubは来年は結成25周年を迎えます。「25曲入りのアルバムを作りたい」を意欲を見せるほか、7月にはゲストに佐藤ひろ美さんを迎えてのワンマンライブを開催予定。佐藤ひろ美さんは2016年12月をもって歌手業を引退する意向を表しているため、貴重なステージとなりそうです。