専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第33回

 日頃、ろくに練習をしない方は、私も含めて、ラウンド当日のゴルフ場での練習が、その日の"勝敗(出来・不出来)"を分けます。できることなら、ぜひスタート1時間前には来場して、ゆっくりと朝食を食べたあと、たっぷりと練習をしてください。

 朝早く行くのは簡単なことですが、同伴プレーヤーの相手によっては、練習するタイミングが違ってきます。友人同士であれば、好きなように食事をし、練習をやってから、スタートホールに集合すればいいでしょう。

 しかし、ちょっと高級なゴルフ場へ、会社の上司や先輩、取引先の方などに連れられて来た場合は、勝手が違ってきます。日本の縦社会のゴルフでは、"和を重んじる"風潮があり、それに従わなければなりません。

 同伴相手が社長クラスなら、玄関前で到着を待って、お出迎えするのも致し方ないでしょう。先輩クラスにはそこまでしなくてもいいですが、決められた時間よりも少し早めにゴルフ場に着いて、レストランで和定食でも食べながら、先輩の到着を待つのがいいでしょう。

 つまり、ゴルフ場のレストランで全員集合することが、大事なのです。

 そこで、コーヒーでもすすりながら、先輩の艶っぽい武勇伝を聞くもよし、時事ニュースに突っ込みを入れるもよし、しばし歓談して、先輩たちが練習をしようとしたら、一緒に練習をすればいいのです。話が盛り上がって、練習する時間がなくなり、そのままスタートということもあるでしょう。それは、その場の流れに任せるしかありません。

 でも、練習はしたほうがいいですし、「練習したい」という方もいるはずです。そんな方は、8時にクラブハウス集合となっていたら、7時30分にはゴルフ場に来て、練習をたっぷりやってから、何食わぬ顔でみんなと一緒に朝食を食べればいいのです。先輩たちが「練習しよう」と言ったら、また適当に練習すればいいだけの話です。

 さて、練習のポイントですが、基本はあまり打ち過ぎないことです。練習場の1コイン(1箱)、24球〜30球ぐらいですか。それだけ打ったら、どんな球が出ようが打ち止めにしてください。昔は、ラウンド直前に3箱も練習したことがありますが、どんどんスイングが悪化して、その日は一日、ゴルフになりませんでした。

 2箱目を打ちたいと思うのは、自分自身が納得していないからです。スライスばかり出るとか、ダフってしょうがないとかね。でも、人生何事も諦めが肝心です。悪ければ悪いなりに、「今日は調子が悪いから、慎重に、あまり振り回さないようにしよう」と、謙虚な姿勢で臨んだほうが、案外叩かないものです。

 それに、ゴルフ場の練習場所はドライビングレンジだけではありません。普段、町の練習場じゃあ、芝の上からアプローチなんてしないでしょ。せっかくですから、アプローチ練習場でどんどん球を打って、芝生での感触をつかみましょう。

 えっ、「アプローチ練習場がない」って。そういうときは、空き地みたいなところで、こっそりやってください。しかも、ライの悪いベアグランドでやりましょう。地面を打っている分には、誰も文句はいいませんから。地面からボールを上げられたら、そりゃもう一人前ですよ。低い球でいいから10ヤードくらい打つ練習をすれば、かなり現場で役立ちます。

 加えて、スタート直前にはパター練習もやりましょう。よく2ヤードぐらいの距離から打ってカップに入り、「今日は調子がいいぞ!」なんて言う方がいますが、それはオマケです。本来、パッティンググリーンでは、その日のグリーンの速さを確認し、自分のタッチ具合を調べる。それが、大事だと思います。

 私の場合の距離感の出し方は、歩測でイメージします。6歩と12歩の距離を基本にして打って、今日はグリーンが速いか、重いかを調べます。曲がり具合とかはあまり見ません。アマチュアのパットは、10〜15ヤード程度の距離を、いかに2パットで入れるか、それに尽きると思います。

 そして、いよいよラウンド開始。深呼吸をして、素振りを1回、それから運を天に任せて思い切り振りましょう。

 様子を見たりして、俗に言う「合わせて打つ」みたいなことは、高等テクニックなのでやめましょう。最初はOBでもいいから、とにかく豪快に振ること。空振りやチョロより、すごく飛んで曲がったほうが、周囲の人も「惜しいなあ」と言ってくれますよ。

 ショットは、決して後悔しないこと――そのためには、思い切りが必要だと思います。

木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa