朝ドラ「あさが来た」(NHK 月〜土 朝8時〜)12月9日(水)放送。第11週「九転び十起き」第63話より。原案:古川智映子 脚本:大森美香 演出:尾崎裕和


63話はこんな話


ついに髷から西洋ふうな髪型に変えた新次郎(玉木宏)。
時は流れて秋、あさ(波瑠)のお腹もずいぶん大きくなった。
出産方法を、昔ながらの腕利きのお産婆さんに任せるか、西洋医学の医者に頼むのか、正吉(近藤正臣)とよの(風吹ジュン)が対立する。

さっぱりぽんの新次郎


髪型が変わった新次郎、若く見える!

62話は、あさたちが、新次郎と榮三郎(桐山照史)と雁助(山内圭哉)の姿を見て「さっぱりぽんや」と驚いたところで続くだったのが、63話の冒頭では三人の姿を描かないまま時間を進め、新次郎の西洋ふうな髪型もすっかり定着しているところからはじめる。無駄のないスマートな構成だ。

新次郎が髪型を変えたのは、時代の流れに抗えないと諦めたこともあるだろうけれど、一番は、あさが鬢付け油のニオイをいやがったからだろう。
新次郎は、お家のためでもお金のためでもなく、愛する人のために生きている。

お父さん、倒れる


たまたま、あさが、医者と産婆、ふたりを頼んでいたために、正吉が倒れた時に大事に至らずに済んだ。あさは勘がいいようだ。
お父さんは、心配して駆けつけるあさに、新次郎たちには言うなと釘を刺す。弱っている姿を見せたくない。ここにも誇り高い人がいた。飄々としているのも仮の姿なのだろうなあ。
そして、よのは、そんな夫のことをわかっていて、ひたすら見つめ、寄り添っている。いい夫婦の形がそこにある。

髷を結ったまま、旧時代と共に消えてゆこうとしている正吉。
全くこだわらず、新しい時代を突き進むあさ。
そんなあさによって変化していく新次郎。
時代の変り目にいろんな人がいるのを感じた、63話。

余談ではあるが、ふだん弁髪の山内圭哉の頭部に髪がたっぷりあることにものすごい違和感を覚える。地肌分量の多い髷のほうが違和感ないってことが可笑しい。
(木俣冬)

木俣冬の日刊「あさが来た」レビューまとめ読みはこちらから