現代人の約半数が健康食品を摂取…国による注意喚起のメッセージとは

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今月8日、内閣府の食品安全委員会が、健康食品の安全性や摂取量などについて、注意を喚起する19のメッセージを公表しました。これは、健康食品によるさまざまな健康被害を防ぐことを目的として取りまとめられたものですが、同委員会の資料によると、現在では国民の約半数がなんらかの健康食品を摂っているとのこと。それだけに、正しい知識が必要とされるのがわかります。どんなことに注意すべきだというのでしょうか。

「食品だから安全」という思いこみ


健康食品にもサプリメントのようなものから食品、飲料までさまざまな種類や形態がありますが、多くの人がこれらを「(薬と違って)食品だから安全で副作用がない」と思いがちな傾向があります。

しかし、これは大きな間違いで、普通の食べ物や飲み物でも、おなじものばかり摂っていると、栄養の偏りなどから健康を損なってしまいます。特に健康食品の場合は、「健康を増進させる」効果のために特定の成分を多く含有していることが多いため、こうした成分の過剰摂取になることもあり、アレルギーなどの体調不良を起こしてしまうケースもあるのです。

また、健康食品には「毎日続ける」「1日○回」といったように、毎日摂取することを推奨するものも多いのですが、これらを「長期にわたって摂りつづけた場合」の安全性についてはほとんどわかっていないのも実情なのです。

摂りすぎにも注意


また、風邪を早く治したいからといって風邪薬を通常の2倍、3倍も飲む人はいないと思いますが、サプリメントや栄養ドリンクの場合は、「疲れがとれない」などの理由で、通常よりも多い量を飲む人がいます。しかし、製品化の際に厳重な臨床試験が必要とされる医薬品と違い、健康食品については「どの程度の摂取量なら安全か」という目安がはっきりしていないことも多く、心身へのリスクを避けるためには過剰な摂取はやめておいたほうがいいでしょう。

広告表現と薬事法


食品安全委員会では、「天然」「自然」「ナチュラル」といった商品のうたい文句が、決して科学的に「安全」なことを意味しているわけではないとして注意喚起を行っています。テレビや新聞などのコマーシャル・広告の表現についてもおなじことがいえます。

日本には「医薬品」「医薬部外品」「化粧品」などの原料や製造方法、広告などについて厳しく規定した薬事法という法律があります。いまのところ、健康食品を規制するこうした法律はありませんが、健康食品が「医薬品」や「医薬部外品」のように、特定の病気・症状に対する治療・予防効果を広告でうたった場合は、薬事法違反として罰則の対象となる場合があります。そのため、健康食品のコマーシャルでは、「すっきり」「元気」「さわやか」といったように、特定の病名や症状を出さない表現を使うことも多いですね(たとえば「便秘」なども特定の症状なので、健康食品の広告には使えません)。

ほかにも、あくまで「個人の感想」ということにして、芸能人やユーザーに効果を語ってもらう、といった宣伝方法があります。しかし、こうした個人の感想は、もちろん「科学的に根拠のあるもの」ではありませんね。食品安全委員会の資料では、肝臓疾患のある人がウコンを服用して肝障害になってしまった例があげられていましたが、たとえ多くの人にとって安全な商品でも、体質や持病によって一部の人には健康リスクを招いてしまう可能性もあるため、広告を見る際にも注意が必要なのです。

「健康な人」のための健康食品


ところで、奇妙な話ですが健康食品の多くは「健康な成人」を対象としています。そのため、子どもや高齢者、妊婦、病気の人などが健康食品を摂取する際には特に注意が必要です。

多くの人が健康や長寿に関心を持つようになった現代ですが、「これさえ摂っておけば」健康で長生きできるというような「魔法の商品」は、残念ながらいまのところありません。これは健康法についてもおなじことがいえますが、「なにが自分に合うか」は自分のカラダと相談しながら自分で判断するしかないのです。

また、健康のためにまず大切なのは、食事や睡眠、運動といったさまざまな生活習慣のバランスを整えることであり、健康食品に頼るのは「生活を改善してから」でも遅くないでしょう。

<参考>

https://www.fsc.go.jp/osirase/kenkosyokuhin.html
(「健康食品」に関する情報 食品安全委員会)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000045726.html
(厚生労働省 薬事法とは 薬事法等の一部を改正する法律について)