「体を冷やすことは万病の元」という東洋医学の考えが根強い中国。日本ではキンキンに冷やして飲むことが一般的なビールですら、中国ではぬるいまま飲む人も少なくない。(イメージ写真提供:(C)mihtiander/123RF.COM)

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 「体を冷やすことは万病の元」という東洋医学の考えが根強い中国。日本ではキンキンに冷やして飲むことが一般的なビールですら、中国ではぬるいまま飲む人も少なくない。

 一方、日本では冬でも薄着でいる子どもが散見される。特に女子中学生や高校生がスカートを穿いて肌を露出していることは、体を冷やすことを嫌う中国人にとっては「衝撃的」であると同時に大きな驚きのようだ。中国メディアの捜狐は日本には、雪の日に半ズボンを履いている子どももいると伝え、「日本の子どもたちは冬になぜ薄着なのか」を論じる記事を掲載した。

 記事は「日本の子どもはどうして皆寒さを恐れないのか?」と疑問を呈し、保育園児が皆薄着であることを紹介。さらに、「日本の小学生の冬服はすべて半ズボン・ミニスカート、それでも子どもたちは風邪を恐れない」と大げさに情報を伝えている。

 冬でも薄着である理由として「動きやすさ」を挙げている。中国では身動きの取れない程服を着ている子どもも大勢おり、動きにくいのも当然だ。また、「免疫力を高める」、「日本は暖房設備が完備されている」といった納得できる理由も挙げつつ、「室内で素足だと滑りにくい」とも述べ、靴下を履いていると容易に滑って転ぶ、素足だと足のつぼが刺激されると考察している。

 一方、なぜ中国の子どもは薄着ではないのか。1つは前述のとおり、東洋医学の影響で体の冷えを極端に嫌うことが考えられる。日本を訪れる中国人旅行客が水筒を常に持ち歩いている様子を見たことがある人もいるであろうが、水筒のなかには温かい飲み物が入っている。外出中でも日本人のように自動販売機で冷たい飲み物を購入して飲む人は決して多くない。

 もう1つには中国人は子どもに対して過保護ということも挙げられるだろう。一人っ子政策の影響か、子どもを溺愛する親は多く、本来経験する必要のあることからもわが子を守りたいという意識が働くのではないだろうか。中国では妻が子どもに風邪を引かせてしまい、夫が激昂する様子を目にすることもあるほどだ。日本に存在する「子どもは風の子」という言葉は、中国人にはなかなか理解し難い言葉なのだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C)mihtiander/123RF.COM)