「折れない心」を養うために必要な3つの「支え」とは

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歌手でタレントの和田アキ子さんは、何事にも好き嫌いをズバッと言い放つ豪快なキャラクターが人気です。芸能界での歴史も長く、TVを見ていると怖いものなしに見えますね。

そんな和田アキ子さんですが、紅白歌合戦への不安とプレッシャーから、心療内科を受診しているというニュースが流れました。和田アキ子さんは紅白でも常連で、長い出場歴を誇っています。他の出演者に物申すことでも知られていたので意外に思われた方も多いかもしれません。

和田アキ子さんほど豪快になれなくても、繊細な人が折れない心を持つにはどうしたらいいのでしょうか。臨床心理士で神奈川大学教授の杉山崇先生に聞いてみました。

折れないためには「支えてくれるもの」が必要


日本人は精神論が好きな民族です。なので、折れない心というと「鋼の意志」や「鉄の心臓」というイメージを持つ方が多いかもしれません。確かに、「自分はこうあるべきだ」という自分の在り方に対する信念がなければ折れない心は育ちません。

しかし、心は周りの動きに合わせて変化するものです。折れない心を持つためには、折れないように支えてくれる何かが必要なのです。
支えてくれる何かと言っても、甘えさせてくれる人が必要という訳ではありません。身近に、または心の中に、次の3種類の人々がいてくれれば、心はグッと折れにくくなります。

折れない心を持つために必要な「3種類の人」とは?

理想とする人


その3種類とは、まずは憧れることができる人です。「この人みたいになりたい」、「この人のように振舞いたい」、そう思える誰かです。すべてが理想的というわけではなく、理想とする部分があるといった程度で構いません。こうありたいと思える人が心の中にいることが大切です。こういう人がいてくれることで、心は迷いにくくなることでしょう。

同じ立場や境遇の人


次に必要なのは、同じ立場に立ってくれる仲間です。同じ目的と同じ考え方を共有して、あなたが喜ぶことを一緒に喜んでくれる、残念に思うことを一緒に残念に思ってくれる、そんな仲間が必要です。仲間を通して自分の姿を確認できますし、一人ではない…という心強さももらうことができます。全く同じでなくても、立場が近いだけでも構いません。

自分を肯定してくれる人


最後にあなたが価値ある存在であることを伝え返してくれる誰かです。あなたの話に真剣に耳を傾けて、あなたを労い、尊重してくれる存在です。人は人のリアクションで自己確認をしています。どんな人でもこのような人がいてくれないと苦しくなります。上司や先輩に評価されていない人の多くは苦しそうですよね。人に正しく評価されないと、心は折れやすくなるのです。子どもの場合は親や教師、大人になると恋人や配偶者、恩師、などがこれに該当することが多いようです。

このように折れない心には本人の自覚や意識も大切ですが、それを支えてくれる人間関係もとても大切です。折れない心を作るには、まずは「部分的にでも理想化できる人」、「同じ立場や境遇の人」、「あなたの価値を伝え返してくれる誰か」、この3種類の人との関係を大切にするところから始めてください。

和田アキ子さんも人とのつながりをとても大切にする方と言われています。豪快なキャラクターの背後には人を大切にする努力が隠れているのかもしれません。あなたもぜひ試みてみてください。

<執筆者プロフィール>
杉山 崇
神奈川大学人間科学部/大学院人間科学研究科教授。心理相談センター所長、教育支援センター副所長。臨床心理士、一級キャリアコンサルティング技能士、公益社団法人日本心理学会代議員。