遠のいていた米国の年内利上げ観測が再び

  米ドル/円相場が、再びドル高(円安)方向に動きだした。きっかけはFRB(連邦準備制度理事会)のイエレン議長による米国の年内利上げへの意気込みだ。10月の米国雇用統計(11月6日発表)では、非農業部門雇用者数の大幅な増加や失業率の7年ぶりの低水準と予想を上回る改善を見せた。
 足元の米ドル/円は、8月後半以来となる1ドル=123円を回復、ついに上値抵抗となっていた200日移動平均線を大きく突破してきた。国内外の大手銀行で為替ディーラーとして活躍した経験を持つ水上紀行氏(バーニャマーケットフォーカスト代表)は言う。
「一時は遠のいていた米国の年内利上げが再び現実味を帯びてきたことで、マーケットはドル高の方向が見えてきました。目先のターゲットは1ドル=125円といったところでしょうか。これは8月の中国発世界同時株安前の水準です。ただ、この水準はあくまでも戻りのピークにすぎません。そこからは再び円高方向に動く可能性が大です」 
 一方、10月以降、資源国通貨のNZドルが円に対して戻り歩調を強めている。外為関係者によると、これは米国の利上げが一時的に遠のいていたからとのこと。その証拠に、米国の年内利上げの可能性が示唆されたとたんに上値が重くなった。
「今後、米ドルがそのほかの通貨に対して強くなると仮定すると、NZドル/米ドルでは米ドル高(NZドル安)になります。よって、NZドル/円でも円高への圧力が強まるはず。人気の高金利通貨という理由だけで飛び乗るのはリスクが大きい」と水上氏は言う。

※この記事は「ネットマネー2016年1月号」に掲載されたものです。