彼はミランに戻りたいと思っている。だが、それを決めるのは彼ではないそうだ。かつてのミランのバンディエーラ(旗頭)で、現在はマイアミFCのテクニカルディレクターであるパオロ・マルディーニ氏が、『Sky Sport』の番組でインタビューに応じ、ミランについて語った。マルディーニ氏はミランの現体制を批判している。特に標的となったのは、アドリアーノ・ガッリアーニ代表取締役だ。

「ミランがビッグに戻りたいなら、明確にすることが必要だ。アイディアと投資が必要となる。サッカーのことを知っている人が必要だ。今のミランにはそれが足りない。ガッリアーニはとても素晴らしいディレクターだが、おそらく彼に少し足りないのが、サッカーに関することなんだ。選手たちを決め、選手たちを評価するところだよ。その点では彼の隣に誰かが必要だ」

代表取締役が2人いることも、マルディーニ氏は納得していないようだ。

「私が現役時代にミランで勝っていたのは、素晴らしいチームと、非常に明確なプロジェクトがあったからだ。だが何よりも、確実で役割への敬意があったからなんだよ。代表取締役が2人いるのはまったく気に入らない。私はミランでたくさんプレーしたが、常に自分の考えは独立していた。好きな相手をほめるのはずっと簡単さ。でも、実際どうなのかを言う方がもっと役に立つ」

それでも、マルディーニ氏はミラネッロに戻りたいという希望を消していない。シルヴィオ・ベルルスコーニ名誉会長とはかなり連絡を取っていないが…。

「近年ではレオナルド、(クラレンス・)セードルフ、(マッシミリアーノ・)アッレグリ、バルバラ・ベルルスコーニが連絡をくれた。だが、私の答えは常に同じだったんだ。加わりたいが、私は自分で考えることをやらずにはいられないから、それが問題となるのは確実だとね。ベルルスコーニ会長とは最後の試合の日から連絡していない。決定を下すのは彼だから…」

一方で、シニシャ・ミハイロビッチ監督を選んだことには賛成という。

「ミランのようなチームにたどり着くのは簡単じゃない。あれほど栄光ある歴史を持ち、ミラネッロにサン・シーロと、“ミラン”は重いものなんだ。選手にとっても、監督にとっても、全員にとって重いものなんだよ。ここ最近のように、デリケートな時期に新人監督を抜擢することには賛成していなかった。危険な選択だと思ったよ。セードルフは素晴らしい結果を出したけどね。ただ、ぶっ壊してくれるような要素が必要なんだよ。それがミハイロビッチだ」

マルディーニ氏はサッカーにおける違う役割を担っていく可能性も否定はしなかった。

「前回の選挙の前に、FIFA参入を求められた。とても政治的な役割だ。一人ではやらないだろうね。(ジャンニ・)インファンティーノからは支援を求められた。彼は何人かの元選手を加えたいようだ。様子を見よう。ただ、一人で立候補することは決してないね」