展開は猛スピード、ラブシーンはゆっくり「新・牡丹と薔薇」4話

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「新・牡丹と薔薇」(東海テレビ、フジテレビ 毎週 月〜金 ひる1時25分〜)12月3日(木)放送。第4話「ぼたんが繋ぐ運命の糸」より
脚本:中島丈博 演出:西本淳一ほか


崑一「じゃあ行こう」
眞澄「え、どこへ」
連れていかれた先は寝室。土下座する眞澄。いきなりそんな無理!っていう意味かと思ったら、バージンじゃないと自己申告でした。

わはははー。中島先生のコント、11月に80歳になられたとは思えない、アグレッシブでハイブロウであります。
こんなコント仕立てのあとに真面目なベッドシーンがありまして、第4話は、その他、キスシーンが2回ありました。すべて、眞澄(美山加恋)と小日向崑一(岡田浩暉)によるものです。

2度のキスシーンがどちらも、ふたりの横顔が徐々に接近していくのと、そこにカメラがじわじわ接近していくのが重なるという黄金パターン。あとのほうは若干違うカットも挿入されていましたが、ムードはほぼ同じ。展開は猛スピード、ラブシーンはゆっくりが中島先生のお好みのようです。
そんな感じで、4歳のぼたんちゃんは、眞澄が養子に出した子供ではなく、れっきとした崑一と世奈子(田中美奈子)の子供だったことが判明し、他人の子でも大切に育てたいという母性がムラムラ沸いてきた眞澄は、あれよあれよと、崑一と結婚までこぎつけてしまいます。
でももう、これしきのことではもう驚けない! わずか4話でスピード展開に慣れてしまうなんて、人間って業が深いんでしょう。それがわかっていらっしゃる中島先生は、ここで、強烈な姑を投入なさいます。
英語と「てめえ、どのツラさげて」などのべらんめえ口調のハイブリットのお母様カオルコ。世奈子は彼女との折り合いが悪くて離婚したようで。お気持ちお察し致します。

どっちも浮世離れ


結婚式で火花散らす鰐淵晴子と田中美奈子の「極道の妻たち」みたいな感じと、岡田浩暉と美山加恋の妙にほんわかした「小さな恋の物語」みたいな感じ(岡田浩暉ってサリーぽくないですか)の対比が面白過ぎ。どっちも浮世離れしてることには変わりないんですよね、方向性が違うだけで。
それにしても、いつの言葉なの〜? という言葉が続々出てきます。公式サイトでは名セリフという名のおもしろセリフをピックアップ、けっこうなボリュームの解説を載せるやる気を見せていらっしゃいます。
わたくしは、崑一さんから目が離せません。

「こましゃくれてるんだ」「幻滅したかな」「堪えられない」等々。岡田浩暉がミュージカルで鍛えた演技で、死語的な言葉をきちんと手なづけてスマートに喋ってしまうものだから、一瞬スルーしそうになるのですが、待って待って、その言葉遣い、どうなのよ、なのです。
そして、眞澄の花嫁衣裳も気になります。なぜ和装。衣替えじゃなくて御召し替えだとしても、新種だという薔薇の花には真っ白なドレスがお似合いと思うのに、主張の激しい赤いお着物で日本髪の眞澄と薔薇の花は激しくぶつかりあいます。
綺麗な調和なんか要らないとばかり、どこか見せ物小屋のいかがわしさみたいなものを意識している感じ、これぞ昼ドラでありましょう。

80歳、元気過ぎます。
(木俣冬)