オードリー若林「処女なわけないじゃん」謎だらけ「SICKS」今夜9話

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おぎやはぎ、オードリーの2組を中心にさまざまな芸人、俳優が顔を揃えるコント番組『SICKS〜みんながみんな、何かの病気〜』(テレビ東京、毎週金曜0:52〜)。久しぶりに登場した古き良きオムニバスコント番組……と思いきや、回を重ねるごとにそれぞれ独立していると思われたコントがからみあっていき、4話でとうとうすべての世界がつながったところまでは前回のレビュー(おぎやはぎ、オードリーが仕掛けてきた!コント番組「SICKS」が大変なことになっている)で書いた。
コントの背後に隠されたストーリーがどんどん明らかになり、さらに新たな展開を見せる5話から8話をまとめてみよう。


まさに外道! 鬼女探偵の登場


5話で視聴者の心を奪ったのはやはり「晒したい病:こちら鬼女探偵事務所」の晴海(佐藤仁美)、片岡(高橋メアリージュン)、佳子(野口かおる)だろう。アイドル・中田杏について調べてほしいという依頼に対し、”ヒャッハー!”と言わんばかりの(なんなら声に出して言っていたかもしれない)ものすごい形相でネット上の情報を収集・分析し、指定の日時に彼女がいた場所を特定してしまう。彼女たちのあまりの激しさに、青い薬と謎の男にまつわるもろもろを一瞬忘れたほどだ。
3人は翌週6話にも登場。「ネット記事でひどい見出しをつけている人を特定してほしい」という依頼を持って来たのは先週調べたばかりの中田杏本人。結果、青野研究所の写真にたどり着く。実は彼女たち3人は青野研究所の情報部員。春海の「SICKS事件について話しておくわね」という言葉で6話は幕を閉じ、7話の過去の話へとつながってゆく。


まさかの人造人間! STAND BY ME 中華の魔人


話を少し戻そう。鬼女探偵事務所の余韻さめやらぬ5話終盤はにさらなる驚きが隠されていた。中華料理店にきてはこまごまとうるさくレビューしていたブロガー、中華の魔人(春日)。娘であるAV女優・つばめ(岸井ゆきの)のことで悩む店主(入江雅人)との間にはいつしか友情が芽生えていた。飲んだ帰り、からまれた店主をかばって魔人が人造人間であることが発覚する。 これまで主要キャストの中で彼だけがSICKSを飲んでいない理由はここにあったのだ。
6話では自分が人間でないことに悩む魔人。主人に「お前には感情がある、だって俺をかばってくれたじゃないか」と言われ、涙を流しもする。そして吹っ切れたのか、8話の後半では毒蝮三太夫よろしく愛ある毒舌で名物店員になっている。店主と魔人とのやりとりがなんともかわいらしく、魔人が人造人間だとわかってからは人と人あらざるものとの友情物語としてついつい微笑ましく、ときに切ない気持ちで見守ってしまう。


ICKSの謎が明かされる


コントの端々に顔をのぞかせていた青いカプセル。それこそが「SICKS」という名の薬であることは5話のラスト、謎の男(古館寛治)が浄水場にその薬を流しているシーンで発覚する。そして6話ラストで鬼女・晴海によってこれが「判断力と理性の低下を促し、抑圧された精神の解放をほう助する薬」であることが明かされる。
7話では「8 years ago」という表記とともに、このSICKS事件の全貌がわかる過去の話が展開される。「撮れ高病」の酒井(小木)、「煽りたい病」の時村(矢作)、「ガチ恋病」の発田(若林)、「リテラシーゼロ病」の町田(アンガールズ田中)はともに青野研究所の研究員、そして中華の魔人(春日)はその研究所で所長が勝手に開発している「MAZ1N」というコードネームの人造人間だった。謎の男は天本という名で、新たに開発している薬の被験者だ。しかし天本は実はスパイで、研究員たちにSICKSを投与し自分は逃げてしまう……。
と、このコントはここまでの話がすべてつながるシーンでありながら、決してシリアスなだけではないところがいい。人造人間であるという特性を生かし、MAZ1Nに無茶をさせようとする4人。笑いを知らないはずなのにすぐ笑ってしまうMAZ1N。ここまでのコントがすべて作り込まれたものである分、ここに来て芸人たちの楽しそうな感じが際立って見える。


昨日も今日もAVの撮影、それでも処女


さて、5話では最後の1錠を飲み損ねた「ガチ恋病:永久認定処女」の発田(若林)が処女と信じていたつばめに対し「処女なわけないじゃん」と言い出し、傷ついたつばめが家を飛び出してしまう。8話ラストで完全に正常に戻って再就職もした発田は、「正常な時間軸の中で、君は永世認定処女なんだ!」と改めてつばめにプロポーズする。それに対し「私、昨日の撮影で」「今日も撮影だったけど」と、それでも処女と言えるのか? と繰り返し確認するつばめの語る撮影内容に笑いながら感動してしまう、実にみごとなやり取り。物陰でその一部始終を聞いていた友人・高見沢(オクイシュージ)の「つばめちゃん、最近は企画モノが多いんだな……」のつぶやきは何度繰り返し観ても笑ってしまう。


マユリコの友情はどうなる? つばめの姉とは?



同人作家マユ(清水富美加)は時村の見出しの効果もあり人気作家になり、いまやコメンテーターに。彼女とけんか別れしたリコ(℃-ute中島早貴)は酒井(小木)に騙されアイドルに(アイドル姿はさすがのかわいさ)。二人はテレビ局で再会するが、その横では発田と同じく薬が切れて正常に戻りつつあった時村が「本物のワクチンを!」「時間がない」と苦しんでいる。


つばめは中華料理店店主の本当の娘ではないことが端々で示唆されている。つばめの「芸能人のお姉ちゃん」とはやはりあの人なのか? そして鬼女たちに追いつめられた天本は逃げる途中で車にひかれ、最後の力でMAZ1Nに何らかのデータを送信する。果たしてあと4回で彼らはどうなっていくのか? ドラマ以上に来週が待ち通しいコント番組『SICKS』、第9話は今夜!
(釣木文恵)