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国立天文台は12月4日、天の川銀河中心に潜む超巨大ブラックホール周囲の磁場構造を解明したと発表した。

同成果は、国立天文台水沢VLBI観測所 秋山和徳 博士と本間希樹 教授を含む国際研究チームによるもので、12月3日付けの米科学誌「Science」に掲載された。

同研究グループは今回、天の川銀河中心に存在する超巨大ブラックホール「いて座A*」を観測。いて座A*は、地球からおよそ2万5000光年の距離にある地球に最も近い超巨大ブラックホールで、太陽のおよそ430万倍もの質量をもつ。しかし、その直径はおよそ2600万kmと、太陽の約20個分の幅となっており、地球から見たときの見かけの大きさはわずか10マイクロ秒角。ブラックホールの強い重力によって空間がゆがむため、ブラックホールの姿も5倍程度に拡大されて見えると考えられてるが、それを考慮しても周囲の様子を明らかにするためには非常に高い解像度の望遠鏡が必要であった。

そこで今回、米カリフォルニア州にある「CARMA」、アリゾナ州にある「SMT」、ハワイ州にある「SMA」と「JCMT」という3カ所4台の電波望遠鏡を「超長基線電波干渉法(VLBI)」という技術を用いて結合させ、直径4000kmに相当する巨大な電波望遠鏡を構成し、波長1.3ミリメートルの電波の観測を実行。約50マイクロ秒角の解像度を実現した。

観測の結果、いて座A*のブラックホール半径の6倍程度の領域から出る放射が、直線的に偏光している様子が初めて計測された。また今回計測された偏光の度合いから、いて座A*のまわりの磁力線は一部が渦を巻いていたり複雑に絡み合ったりしていることが明らかになった。これについて同研究チームは「絡まったスパゲッティのようだ」とコメントしている。

国立天文台は今回の成果について、今後ブラックホールそのものを直接撮像する「Event Horizon Telescope」計画にとって重要な一歩となったとしている。