叶姉妹オフィシャルブログ『ABUNAI SISTERS』より

写真拡大

 絶頂期を過ぎてもなお折々の一挙手一投足が耳目を集めるセレブ・ユニット、叶姉妹。先月23日には妹・美香さん(48)が急性アナフィラキシーショックで一時的に呼吸困難に陥り、緊急入院していた事実が姉・恭子さん(53)代筆のブログ投稿によって公表された......。

 原因は風邪で大量服用していた咳止めシロップの成分らしいが、現在は回復し大事を取って検査入院中。逆に医師から「命の危険もあり得た...」と告げられ、司令塔兼世話役の美香さんがいない日々を「まるで、お魚のいない海のように空虚な心」と綴った恭子さんのほうが看病と気疲れから38度を超える高熱で療養中。叶ブランドらしいオチだった。

即時型の命取り、アナフィラキシーショックとは!?

 では、美香さんを襲ったアナフィラキシーショックとは何だろう。耳慣れない名称から「セレブだけが見舞われる贅沢病か何か!?」と想われた方もいるようだが、アナフィラキシーとは即時型で起こる重篤なアレルギー反応で「毎年数十名が命を落としている」(専門誌)という。これは特定の食物や医療品、虫刺されやラテックス製品、その他のアレルゲン(抗原)によって引き起こされ、腫れによる気道の閉塞や血圧の激しい低下で場合によっては死に至る例も稀にある。決してセレブ限定の症状ではないので憶えておきたい。

 が、この舌を噛みそうな名称を既知の方でも実際、不測の事態を前にした場合の対処法となると「認識不足」というのが日本の実情らしい。「アナフィラキシーショック」の文字が新聞紙面を飾ったのは2012年12月、東京・調布市立の小学校で給食を口にした女子児童が急性アレルギー反応で死亡...というNEWSを御記憶の向きもいるだろう。

 大手製薬メーカーのファイザー株式会社が≪小学校の母親を対象とした「食物アレルギー」認識調査≫を公表しているが、「アナフィラキシーショック」に対する認識不足が浮き彫りとなっている。

 計1.648人を対象とした同調査では、食物アレルギーの子供を持つ母親の陣営でさえ9割弱が「アナフィラキシーショックを起こす可能性が高い」とは思っていない。同じく該当児童に対して「特に何もしていない」母親が44.4%...実際に複数の臓器でアレルギー症状が現われたと回答した216人中、半数近くがそれをアナフィラキシーショックの発現とは疑っていない。さらにはそういう子供を育てながら、緊急時の補助治療を目的とする「アドレナリン自己注射」の存在自体を7割強の親が知らなかったという。

 一方で彼女たちが周囲に最も知ってほしい点に「好き嫌い(の問題)とは違う」が首位、次に「思いがけない食品にアレルギーの原因となる食材が使われている」盲点を選び、理由の「生命に危険のある症状を起こすこともある(から)」を3位に選んでいるのに、である。事実、食物アレルギーのない子供を持つ母親が同級生らを招いて食べ物を提供する際、「好き嫌い」を確認する割合は51.9%なのに対し、「食物アレルギーの有無」まで問うのは35.9%という結果。アレルギーの子を持つ母親たちの気遣い事項とは順番が逆転している。

学校、医師、保護者の連携でアレルギー事件を防ぐ

 2004年以降、公立の小・中・高生では「9年間で5倍増!」というアナフィラキシー発生結果もある(文科省調べ)。すでに文科省は、アレルギー疾患に関するガイドラインを作成して、全国の小中高等学校に配布、厚生労働省が保育園用のものを用意した。

 こうした対策のひとつが「学校生活管理指導表」の導入だ。個々の児童・生徒が、どのような食材にアレルギーがあり、過去にどんな症状が出たかを医師が記入し、保護者から学校に提出してもらうというもの。しかし、こうした対策が功を奏するためには、やはり日常的な親の観察と危険に備える意識が不可欠。

 前掲のアドレナリン自己注射が日本で保険適用となったのは2011年9月だが、認識不足からその浸透度は低い。

 アナフィラキシーの原因となる食物で日本人が多く口にしているものの代表格は卵・小麦・乳製品・甲殻類・果物・そば・魚・ピーナッツ...等々。営林署・林業・農業従事者あるいはゴルファーなどが見舞われる蜂毒アレルギーでは年間20人程が亡くなり、その大半が40歳以上の男性陣とか。今回の美香さんは咳止め薬の服用でさえ注意が必要と教えてくれている。
(文=編集部)