『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』

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(…前編より続く)

○【2位予想】『I LOVE スヌーピー THE PEANUTS MOVIE』
チャールズ・シュルツの世界的名作コミックを3DCGでアニメーション映画化。スヌーピーやチャーリー・ブラウンなど、愉快な仲間たちがスクリーン上で躍動する。

【週末シネマリサーチ】前編/大作揃いも『007 スペクター』の首位は鉄板か!? 穴は大人気アニメ「Free!」の映画化『ハイ☆スピード!』

全米では、『007 スペクター』と同週に公開され、オープニング興収で約4500万ドルを稼ぎ出し2位と好スタートを切っている。配給は違うが、児童向け作品というと、先々週公開された『リトルプリンス 星の王子さまと私』(ワーナー)や『PAN〜ネバーランド、夢のはじまり〜』(ワーナー)があげられるだろう。『リトルプリンス〜』は全国569スクリーンで公開され、初週土日動員8万2000人、『PAN〜ネバーランド〜』は全国672スクリーンで公開され、初週土日動員12万1000人、興収1億5000万という数字だった。

本作も上映館数は約340館とそろった。スペシャル・アンバサダーに元AKB48の前田敦子、日本語吹き替え版声優に芦田愛菜・鈴木福の「マルモ」コンビを迎え、プロモーションも積極的だ。『リトルプリンス〜』よりも一般的認知度は高い『スヌーピー』。10〜15万人は死守したいところだ。

▲【3位予想】『映画 ハイ☆スピード! Free! Starting Days』
テレビアニメで大ヒットした「Free!」の前日譚にあたる中学生のひと夏を綴った小説「ハイ☆スピード!」を京都アニメーション制作で映画化。遙や真琴らの青春の一瞬を切り取る。

とにかくアニメーション映画の底力を思い知らされてきた1年。上映館数が少なくても高いスクリーンアベレージを記録して上位に食い込むことは多々ある。本作は約120館での公開となるが、テレビアニメ「Free!」の人気は絶大なものがあるため、ファンが劇場に殺到することが予想される。

公開に向けプロモーションも精力的。山手線では11月30日より、本作のラッピングトレインが登場(12月13日まで)。数量限定で発売される特典付き前売り券「チケットホルダー付スペシャルペアチケット」はなんと22種類。同配給、ほぼ同じ劇場数で公開されたアニメ映画『ラブライブ!The School Idol Movie』が初週で25万1000人を動員した。跳ねればトップを狙えるだけの潜在能力はある。

△【4位予想】『杉原千畝 スギハラチウネ』
第2次世界大戦時、ナチスに迫害されたユダヤ難民たちを救った実在の外交官・杉原千畝の半生を描いた人間物語。主演は唐沢寿明、監督はハリウッド作品も手掛けるチェリン・グラッグ。

史実をベースに重厚な人間物語が展開される本作。高い動員アベレージを記録している東宝だが、歴史上の人物にスポットを当てエンタメ色を除いた作品は珍しい。2015年、実写・アニメ含め、初週土日動員で10万人を切ったのはわずか1作品(『脳内ポイズンベリー』)と絶対的な安定感を誇っているが、ここ最近の作品とは毛色の違う映画がどんなスタートを切るのか興味深い。上映館数は約330館とそろっている。

△【5位予想】『海難1890』
1890年、トルコの親善訪日使節団が和歌山県沖で遭難した際、地元住民の懸命な救助活動によって多くの命を救い出した。そのことが礎となり始まった日本とトルコの友好関係。そして85年後、イラン・イラク戦争が激化するテヘランで、今度はトルコの人々によって日本人が救助されるという出来事が起こる。この二つの出来ごとを映画『利休にたずねよ』の田中光敏がヒューマンストーリーに仕上げた。日本・トルコ合作映画。

奇しくも『杉原千畝 スギハラチウネ』『海難1890』と日本人が外国の人々を救った歴史的事実を描いた物語が同日公開を迎えた。現地時間11月13日には、トルコ・イスタンブールにあるユルドゥズ宮殿で安部晋三総理と、レジェップ・タイイップ・エルドアン大統領が本作を鑑賞。安部総理は本作で描かれている史実への熱い思いを語った。

劇場公開数は約310館。映画には"知らなかった事実"に触れるきっかけを与えてくれる役割がある。作品を見て、興味を持ち、その事実を掘り下げて調べる――。本作が伝える「真心」がどこまで多くの人に届くのか注目してみたい。

【注目シネマ】
*『人狼ゲーム クレイジーフォックス』
桜庭ななみ主演『人狼ゲーム』、土屋太鳳主演『人狼ゲーム ビーストサイド』に続く第3弾。主演は映画『ストレイヤーズ・クロニクル』などに出演している若手女優・高月彩良。「ゲーム終了時に生存していること」というサバイバル「人狼ゲーム」に翻弄される若者たちを描く。

上映館数は少ないが、過去作には桜庭ななみ、太賀、竹富聖花、土屋太鳳、森川葵ら若手俳優たちが多数出演しており、注目度が高いシリーズ。本作でも、高月をはじめ、園子温監督作品で存在感を示している冨手麻妙、柾木玲弥らが出演。人間の深層心理に迫ったストーリー展開も魅力だ。

(文:磯部正和/映画ライター)

磯部正和(いそべ・まさかず)
雑誌の編集、スポーツ紙を経て映画ライターに。基本的に洋画が好きだが、仕事の関係で、近年は邦画を中心に鑑賞。本当は音楽が一番好き。不世出のギタリスト、ランディ・ローズとの出会いがこの仕事に就いたきっかけ。

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